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2008年9月16日

わらを求めて

カテゴリー: 今日のできごと


土壁を仕込むのに使う稲藁を求めに、
那須の澤田さんを訪れました。

日本の主食は米、
稲藁など日本全国どこでも
調達できると思いがちですが、
ところがどっこい、
なかなか手に入りません。
できるだけ農薬を使っていない
田んぼの藁となると、
なおさらのことです。

なぜかというと、
私は田んぼのことは
あまり詳しくないので
細かいことは申し上げられませんが、
稲を収穫する際、その多くは、
藁を使うことを前提としないで
機械で刈り取り、
ましてや刈った藁を
はざ架けして干すという手間を
かけることは稀となってしまったのです。

しかしこうした時代の中、
澤田さんは藁を商っていらっしゃいます。
あるところにはあるんだなあ。

藁の出荷先は主に牧畜と工業用。
牧畜で使う場合は、牛や馬のえさです。
馬はとくに、藁に少しでもカビが生えていると
すぐに下痢を起こしてしまうので、
藁の品質管理がとてもたいへんなようです。

そうした中で澤田さんが扱う藁は、
とても評判がよいようで、
宮内庁をはじめ、
各地から引き合いがあるようです。

実際拝見しましたが、
確かに香りがとても
まろやかな藁でした。

藁を20kgに梱包した商品。
これで2,000円です。

こうして梱包されているので、
宅急便で送ることもできそうです。

藁を持って帰る車の中。
車の中隙間なく藁満載。
ボルボくん大活躍です。

・・・・・

しかしこうして
土壁用に藁を求めていると、
農と建築、いや、
生活のあらゆる要素は
昔昔は全てつながっていたのに、
今は分断されてしまったということを
まざまざと実感します。

現在、心地よい空間作りを動機として
木組みと土壁の家づくりを進めていますが、
この取り組みを続けていくことで、
生活を取り巻く様々な要素の
つながりが再編されていくことを
期待したいと思います。