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2009年4月15日

沖縄土を磨く

カテゴリー: 藤沢む邸


先日4月9日、
居間の幅9尺の壁を
左官屋の湯田さんたちに
仕上げていただきました。

実は既に、
この部分の仕事だけ残して
‘む’さんには
入居していただいております。

なぜならここの仕上げは、
沖縄土による大津磨き。

設計段階の頃、
ちょうど‘む’さん一家が
沖縄の旅に出かけ、
帰って来られて沖縄の様子を
お話ししていただいた時の目が
とても輝いていたのと、
沖縄土のあたたかい雰囲気が
この家に合うと思い、
居間の一番目立つ壁にこの仕上げを
提案させていただいたのですが、

しかしこの仕上げは、
より繊細な仕事が求められ、
仕事の時期も、
あたたかい頃のほうが望ましいので、
この時期を待って湯田さんたちに
手をかけていただくことにしました。

さてこの仕事、
9尺×7尺の壁なので、
せいぜい2人で仕事するのかと思ったら、
仕事ぶりを覗いてみると、
何と丸1日、4人がかり。

平滑な仕上がりとするために、
下地作りも含めたら、
いかに繊細で
手間のかかる仕事か
分かります。

仕上げは、
土を磨くための特別な鏝で、
力の斑が生じないよう、
鏝をぐっと押し続けながら、
ていねいに横に滑らせ、
これを何回も何回も
繰り返します。

湯田さんたちの
その仕事ぶりは、
いつにもまして、
鬼気迫る雰囲気を
醸し出していました。