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2005年7月2日

海の家にて打ち合わせ

カテゴリー: ピスカリア


日中まで山梨の山の中に居た後、夜は一転して葉山の海で設計の打ち合わせ(といっても半分以上、お茶していたようなものですが(笑))。
一日の中で、山と海を両方満喫しました。夏だなあ。

打ち合わせの場所は、葉山一色海岸の海の家の一つ(名前忘れました)で、その海の家は、セルフビルドで竹をふんだんに使って建てた、なかなかセンスの良い建物でした。

そして照明器具も手作りです。
写真のとおり、短く伐ったモウソウ竹に無数に穴を空け、その中に電球を入れ、さらに「頭」の部分には葉を差し込んで、パイナップルをモチーフにしているようなものでした。
まさに南国、海の国を演出。

このように、ここでは建物や小物を含めて、「竹」という限られた条件(お題)の中で、人の手と工夫で、とても楽しいたてものを楽しく作っています。

私はこうしたたてものづくりにとても強く魅かれます。感動すらおぼえます。
決して潤沢なお金がなくても、人の手と工夫で、豊かな空間は作ることができるのですね。
まさに私の設計活動の理念とするところです。

私は、建主さんから2,000万円以上のお金を預かって家づくりの仕事をしているわけですが、「お金のかけ方」について積極的に提案していることがあります。それは、常に職人さんへの感謝の気持ちとしての手間賃、建物の性能に関わる部分、あるいは安全な材料等々、お金をかけるべきところは妥協せずにかける一方で、自分たちでできることはできるだけ自分たちで行おう、というものです。
そしてそれは予算を下げるという目的もありますが、先ほどのとおり、私は結果的に豊かで感動的な空間を作れると考えます。
空間というのは、建物が完成したときが完成ではないですからね。
住まい手、使い手が、日々の暮らしの中で作りこんでいくもののはずだからです。

そういえば、昼過ぎまでいた山の中では、廃屋になっている建物を、興味のある人たちの手で改修して住みたい、という相談を受け、実際に候補となっている廃屋を見てきたところです。
これもとても楽しそうなので、是非実現させたいと思います。

いやしかし、暗闇の海を目の前に、波の音を聞きながら裸足で打ち合わせは、葉山ならではですね。
早くこのたてものを作って、海辺でイタ飯(設計している建物はイタリアンレストラン)を夜が更けるまでゆっくり満喫したい。