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2013年11月12日

舞台は変わる

カテゴリー: 今日のできごと

暮らしや住まいの源流を探るため、
最近は環境考古学に関する書物を
好んで読んでいます。

一言、すごくおもしろい。

私たちを取り巻く自然環境が、
とりわけ植物の相が、
私たちの暮らしや文化を規定し、
地域ごとに特色あるものを
醸成してきたということに
改めて気付かされます。

それとともに、
この数万年の間だけでも
気候が大きく変動し、

それに伴い、
地形も想像をはるかに越えるほど
大きく変動してきたということに
驚かされます。

実は昔は数km先まで陸でした、とか、
あるいはこの山は海の底にありました、とか、
あまりにも大きく
地形が変化してきた様子を知っても、
なんだか実感がありません。

ただいずれにしても、
昔からそこにあったと
思えるような風景でも、
それが永遠に続くということは、
ありえないのだ、
ということを知りました。

それに対し私たちは、
永遠を約束したかのような、
まちの基盤や施設を
作り続けています。

また私たちが暮らす環境を
永遠に維持できると思われる
(というよりも思いこんでいる)
技術や道具を手に入れることができました。

人間の叡智を結集して作り上げた永遠が、
宇宙の気まぐれに対抗できるのか、

それは将来にならないと
実のところよく分からないと
思うのですが、

少なくとも、
狩猟採取生活が
数万年も続いた一方で、

数千年前に起こった
四大文明の跡地のほとんどが
今は砂漠になっているということは

歴史の教訓として
肝に銘じたほうが
よいと思いました。

そして私たちの暮らしの舞台が
年月とともに移りゆくのだとすれば、

私たちはまさに
一時の借り物の上に
暮らしているわけで、

今よく言われている
「持続可能性」とは何なのかということを、
改めて考えさせられました。