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2014年6月16日

荒壁土で仕上げる

カテゴリー: 熊谷た邸

熊谷た邸にて。

土で壁を作るには、
下地の竹小舞を作り、
その上に荒壁土を塗り、

さらに何層も
塗り重ねていくのですが、

この家の居間は、
荒壁土仕上げ。

つまり最初の一層が
仕上げとなっています。

この壁が不思議なのは、
まだ「現場」であるときは、
壁の施工が
まだ途中なのかな、
という印象なのですが、

他が仕上がり、
そこが「家」になると、
とても味わい深い
壁となります。

塗った季節、藁の配合、
乾く速度、土の成分、
土を寝かした年月…

人間の仕業では
どうにもならない
様々な要素によって、

一つとして
同じ表情のものはない壁。

だから、
一つ一つの壁の前に立ち、
ついずっと壁を
見つめてしまうのです。

実は施工上は、
気を遣うべき点が多く、
たいへんだったりも
するけれど(笑)、

やっぱ好きだなあ。