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2007年1月11日

初詣は三井寺(園城寺)

カテゴリー: 今日のできごと

初詣は、近江の国の三井寺に行きました。

三井寺は、とても大きな境内の中に、
風格のある金堂だったり、
三重の塔だったり、
高台に組まれた「小」清水寺のような舞台だったり、
六角形の屋根だったり、
末広がりの鐘楼だったり、
様々な種類の建物を見ることができて、
私のような仕事をする身としては、
とても楽しかったりします。

人があまり居ないのも、いい!

ということで、撮った写真を何点か。
部分的なものばかりですが、
全体については、
実際に足を運んでのお楽しみということで。


鐘楼の、細かい間隔で連続する、
野太い垂木。
妻側から覗く光に照らされた陰影が、
何ともたまりません。
連続が強調される、
こういう印象の小屋組がとても気に入っていて、
設計する際に参考にしていたりします。


昔の建物の雨の道を見るのも、
意外と面白いものです。
よくよく見ると、
割と大胆なことしていること、
多いですね。
あの金閣寺も、
実は野太く雨樋が見えていますよね。
しかし、あまり気にならないのはなぜでしょう。
きちんと意匠計画がなされているからなのでしょうか。


蔀戸。
割と古くからある、建具の機構ですね。
意匠上機能上気に入っていて、
一度自分の設計の中で、
取り入れてみたなあ、と思っています。


昔の人たちの意匠って、
案外ファンキーだったりするんですよね。
なお、真ん中に見えるのは、
開き戸の‘木製ピボットヒンジ’です。


荒壁と焼杉の外観。
寺でこうした意匠に出会うことは珍しいような。
それにしても関西の土は、白いですね。


丘の上に建つ舞台の、
通し貫の雨除け。
今回見つけた意匠の中で、
最も気に入りました。
割と手軽に機能を満たしていて、
それでいてカッコいいのがいい!


寺の境内のヒノキ林。
やはり人の手が丁寧に入ると、
森は美しいですね。


(番外編)
子どもたちがこれを見て、
「焼肉じょこう!」と叫んで、ケラケラ笑う。
子どもたちよ、
いくら殺生を禁じる寺だからといって、
これは「焼肉除行」ではない。

「境内(けいだい)」と言うのです。

2007年1月7日

今年の正月は

カテゴリー: 今日のできごと


正月は5日間、ヨメの実家の滋賀県へ。

子どもたちはイトコと遊び、
私は座敷の座卓をお借りして、内職。

ちょうどよい巡り合わせで、
幾つか計画案を作るべき時期だったのですが、
おかげさまでこの正月、
いつもの仕事場を離れ、
ゆっくり、じっくり、
取り組むことができました。

賑やかな子どもたちを横目に、
じっと動かずに仕事をしていたので、
静かに温かに休む場を求めていた我が家の犬が、
ずっと私の膝の上に。
おかげでこちらも、
‘湯たんぽ’がわりでした。

普段はヨメに甘えてばかりの犬ですが、
思いがけず犬と関係を深めた
正月でした。

2007年1月1日

年賀状のことば

カテゴリー: 今日のできごと


皆さま、あけましておめでとうございます。

私はといえば、今頃年賀状をシタタめ、たまっていた日記(ブログ)を更新中(苦笑)。
昨年末は大わらわで、正月になったという実感が未だありませんが、しかし昨年末曲がりなりにも仕事が一区切りし、再出発に向けて、身体と心の準備を整えたいと思います。

さて、お世話になった皆さまへの年賀状の到着が数日後になりますので(笑)、この場をお借りして、年賀状にシタタめたことばを記したいと思います。

それでは皆さま、今年もよろしくお願いいたします。

・・・

昨年も、皆様の温かい協力のもと
すばらしい出会いと仲間に恵まれ
仕事と暮らしを楽しむことができ
とても充実した一年となりました

三月、
伝統的な構法で現代の表現を試み
そして建主と職人と設計者、皆が
手足を動かし楽しみながら作った
葉山のシチリア料理店ピスカリア

九月、
地元の方々の支援と、地域の素材
山仕事塾という名の参加型手法で
全国各地の有志の手で作り上げた
山梨黒森の唐松と土壁の野菜小屋

十二月、
昭和の高度成長期前夜に作られた
なつかしい日本の民家の佇まいを
残していきたいと思い取り組んだ
鎌倉の「め」の字の木組の改修工事

同じく十二月、
凡そ2年にわたり、29世帯皆と
エコヴィレッジという名の理念を
共有し、共に歩み共に作り上げた
鶴川の共働集合住宅「きのかの家」

そして「きのかの家」では半年以上
住民と力を合わせ杉板を焼き続け
その成果は想像以上に、感動的に
緑の映える美しい壁となりました

そして今年、
今年も引き続き「風土」と「伝統」を
現代に表すとともに、共働により
楽しくも心地よい、暮らし作りの
お手伝いができれば、と思います

皆様、よろしくお願いいたします

平成19年 元旦