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2008年9月20日

鎌倉ほ邸は今 080920

カテゴリー: 鎌倉ほ邸


貫伏、斑直しが
乾いてきました。

荒壁土に砂を混ぜているので、
ひび割れが少なく、
ざらっとしています。

大工仕事のほうは、
1階の床貼りが
ほぼ終わろうとしています。

藤沢む邸は今 080920

カテゴリー: 藤沢む邸


外側から土を塗る、
裏返し塗りが
ほぼ終わろうとしています。

土が乾こうとして、
あたりに湿気と土の香りが
たちこめています。

2008年9月19日

きらくな風仕事場論

カテゴリー: 今日のできごと


私は今、自宅の一角を
仕事場として使っています。

幅10.5尺×奥行7尺、
約4畳分の広さ、

そこに、
パソコン4台、
(実質稼働3台)
製図台1台、
プリンタ1台、
コピー&プリンタ複合機1台、
電話兼ファックス、
法令集や建築関連の資料、
文房具類、
現在進行形の仕事の資料
等が置かれています。

確かに打ち合わせは居間で行ったり、
あるいは雑誌やカタログ類、
過去の仕事の資料、
資材や工具類等は、
別の場所に置いていますが、

その広さの中を3人で仕事しており、
先ほどのものを置いてさらに
1人当たり4÷3≒1.33畳ですから、
決して広いわけではありません。

それもそのはず、
元々この家を事務所として使うことは
想定していませんでしたので、
仕方ないといえば仕方ないことです。

私の家の広さを知る人に
「今、家で3人で仕事している」というと、
よく「どこで?}と聞かれるくらいです。

とはいえその広さで
仕事に支障を来しているかというと、
そうでもありません。

むしろ、
所員とのやり取りがしやすいですし、
必要なものが数歩以内で届きますので、
楽に思うくらいです(笑)

また経営的にも実質、
事務所分の賃料負担が
必要ないので助かります。
その分を稼ぐために
さらに仕事を取ってきて
お金を稼ぐというのも
あまり性に合いません。

ですのでよほど困らない限り、
当面はこの場所で
仕事をしていきたいと思っています。

もう一つ、
決して広くはない空間を
うまく使う、広く見せる、
という訓練にもなります。

それは、
建築設計者として、
空間構成を工夫するうえでの参考になる
という面もありますが、
それだけではありません。

使ったものは早めに片付ける、
使うものを吟味し、
使わないものは置かない(買わない)、

といった心がけが求められます。

突き詰めれば私は、
そうした取り組みは、
今すぐできる
環境活動の一つなのではないかと
思っています。

2008年9月18日

おあずけ

カテゴリー: 今日のできごと


今日、仕事の用事で
ピスカリアに行きました。

到着時間は、
予定を少し超え、
夜6時半過ぎ。
営業時間の真っ只中です。

そんなときに
訪れたものですから、
美味しそうな香りが漂い、
一気に腹が減ります。

しかし諸事情で
帰らなければならず、
心から泣く泣く、
ピスカリアをあとにしました。

ここへ来るならば
仕事の用事があったとしても、
食事をいただくつもりのほうが
精神衛生上、よさそうです。

近いうちまた来よう。

2008年9月17日

きずり

カテゴリー: 鎌倉ほ邸


現在の鎌倉ほ邸、
現在2階の間仕切り壁に
下地として
木ずりを打ちつけています。

このあと中塗をかけ、
仕上げ塗を施していきます。

2階の床梁にかかる荷重を
できるだけ軽くするため、
また少しでも電気配線しやすいように、

一方で一般的によく使う
石膏のゴミを出したくないので
2階の間仕切り壁には
下地に木ずりを使います。

こちらの下地も、
竹小舞とは違う
美しさがあります。

2008年9月16日

わらを求めて

カテゴリー: 今日のできごと


土壁を仕込むのに使う稲藁を求めに、
那須の澤田さんを訪れました。

日本の主食は米、
稲藁など日本全国どこでも
調達できると思いがちですが、
ところがどっこい、
なかなか手に入りません。
できるだけ農薬を使っていない
田んぼの藁となると、
なおさらのことです。

なぜかというと、
私は田んぼのことは
あまり詳しくないので
細かいことは申し上げられませんが、
稲を収穫する際、その多くは、
藁を使うことを前提としないで
機械で刈り取り、
ましてや刈った藁を
はざ架けして干すという手間を
かけることは稀となってしまったのです。

しかしこうした時代の中、
澤田さんは藁を商っていらっしゃいます。
あるところにはあるんだなあ。

藁の出荷先は主に牧畜と工業用。
牧畜で使う場合は、牛や馬のえさです。
馬はとくに、藁に少しでもカビが生えていると
すぐに下痢を起こしてしまうので、
藁の品質管理がとてもたいへんなようです。

そうした中で澤田さんが扱う藁は、
とても評判がよいようで、
宮内庁をはじめ、
各地から引き合いがあるようです。

実際拝見しましたが、
確かに香りがとても
まろやかな藁でした。

藁を20kgに梱包した商品。
これで2,000円です。

こうして梱包されているので、
宅急便で送ることもできそうです。

藁を持って帰る車の中。
車の中隙間なく藁満載。
ボルボくん大活躍です。

・・・・・

しかしこうして
土壁用に藁を求めていると、
農と建築、いや、
生活のあらゆる要素は
昔昔は全てつながっていたのに、
今は分断されてしまったということを
まざまざと実感します。

現在、心地よい空間作りを動機として
木組みと土壁の家づくりを進めていますが、
この取り組みを続けていくことで、
生活を取り巻く様々な要素の
つながりが再編されていくことを
期待したいと思います。

2008年9月15日

わりばし使おう

カテゴリー: 今日のできごと


割り箸は、
使い捨てだし資源の無駄使い、
だから「エコ」ではない、
と思っていらっしゃる方、
多いと思います。

事実私もそうでした。

しかし先日、
Iさんの案内で
吉野の製箸工場を訪れて、
考えが変わりました。

確かに日本で出回っている割り箸の多くは、
わざわざ外国から輸入した木を使って
作ったものです。
しかもその木は、クスリがたくさん。

しかしここ吉野で作られる割り箸は、
木を製材した際の残りで作ったもの。
つまり少しでも捨てる部分をなくし、
少しでも山にお金を還元するための
実に合理的な取り組みだったのです。

ということで皆さん、
割り箸使うならこの割り箸を!

試したい方はぜひお声かけください。

ところでこの割り箸、
木目がきれいだし、
木の香りもいいし、
割ったあとも大事に、
何回も使ってしまいそう…(笑)

・・・・・

これは、
物事が動いている現場を歩かなければ、
気付かないことでした。

やはり答えの多くは、
現場にあります。

2008年9月14日

木と向き合う若手集まる

カテゴリー: 今日のできごと


木と向き合いながら仕事する、
これからの時代を担う若手の
大工、設計者、林業者、文筆家たちが
全国から京都に集結!

このまま放っておけば、
絶滅するかもしれない、
しかしそうした時代を
‘生きよう’とする、
アツい人たちの集まりでした。

私たちにとって
客観的に見れば確かに厳しい時代ですが、
私たちが生きようと強く思い続ける限り、
周りには少なくても、
全国にこれだけ同世代の
‘生きよう’とする仲間、
刺激し合える仲間がいるのですから、
私たちは大丈夫です!

そんなことを
再確認することができた日でした。

また集結する日を
企てるとのこと、
生きる力みなぎる
皆さんと再開できる日を
楽しみにしています。

2008年9月13日

良材を産み出すヒミツ

カテゴリー: 今日のできごと

三連休の初日、
奈良県吉野町を訪れました。

ここは「吉野杉」の産地、

実は約8年前建てた私の家は、
岡部材木店を通じて、
吉野のIさんが地元で仕入れた杉を
たくさん使っているので、
いずれIさんのところに
行きたいと思っていたところ、
今日は別の話で
吉野へお誘いを受けたので、
この機会を利用して
Iさんのもとを訪れた次第です。

Iさんのご案内で、
原木市場に行きました。

すると今日は、
月に数度の市の日。
なかなかお目にかかることもないので、
しばらくその様子を眺めていました。

丸太価格の現在相場、
また‘売れ筋商品’が
手に取るように分かり、
実に興味深かったです。

吉野の森の様子。

上の写真は樹齢約80年の森、
下の写真は、
何と樹齢300〜400年前と推定される森。
写真では伝わりづらいかもしれませんが、
全ての木の根元が直径1m前後あり、
とにかくド迫力です。

こうして色々山を見せていただきましたが、
吉野の森の多くは、驚くほど、
人の手が実に行き届いていています。

「吉野」という名前が
そうさせているところもあろうかと思いますが、
Iさんから森を管理する体制をお聞きして、
なるほど、と思いました。

と申しますのも、
吉野の森を所有している「山主」は、
ほぼ全て、地元の有力者たち。
つまり大半が私有林です。

吉野は森と木の国、
どこまでも森が続いておりますが、
このあたりの山主さんの数は、
片手で数えられるほど。
それだけこのあたりの山主さんは、
相当の面積の山と財力をお持ちなのです。

そして山主さんの下には、
実際に山を管理する「山守」の方々が
たくさんいらっしゃいます。

彼らにとっては、
山主さんが近くにいらっしゃいますので、
しっかりと仕事をやらないわけにはいきません。
森を枯らしてしまっては、
山主さんに顔が立たないわけです。

一方山主さんは、
山守さんたちが食べていけるように、
彼らに仕事を作り続ける必要があります。

吉野の森は、
他の地域の3倍程度も密度高く木の苗を植え、
そのために年輪の詰まった
とてもすばらしい木材を
産み出すことができるのですが、
しかしその分、
苗を植えてから木材に至るまでには、
その間森にたくさんの
人の手を入れる必要があります。

なんでこんなたいへんなこと、
日本全国の山々は
それでなくても手が足りないのに…、
という見方もありますが、
裏を返せば、
山主さんが山守さんたちに
仕事を作り続けている、
ということになります。

その結果良い材が生まれ、
他の地域と比べて高い値段で売れていく、
そうした好循環をもたらしているようです。

また、私はもう一つ、
朝から吉野にいて感じたことがあります。

それは山や木に関わるみんなじゅう、
「仲間」だということです。
案内いただいたIさんの顔が広いということも
あろうかと思いますが、
会う人会う人、みんな和やかなあいさつ。

さらにIさんの言葉で印象的だったのは、

あの山守が今がんばっているから、
彼が出した木を買おう、

こうしてがんばっている山守さんの木を
順繰りに買っていくんや、

自分のもうけのためだけに
買い叩くことは絶対にしない、

という言葉、
つまりIさんは、
山守さんの応援の気持ちで
常に丸太を買い続けているのです。

そして他の丸太を買い付ける方々も、
多かれ少なかれ、
Iさんのような気持ちを
持っていらっしゃるのではないかと思います。

現在木の最終末端価格が
下がっているので、
それに比例して
丸太を買い付ける値段も
下落してしまっている状況は
致し方ないとしても、
少なくともそうした相互の信頼関係の中で、
取引が進められています。

有名な吉野の杉は
概して目が詰まり、色も美しいです。
その質はさすが「吉野杉」として
名を馳せるだけのことはあります。

しかしその名声は、
吉野という土地の気候風土、
あるいは土の質といった立地条件も
少なからず貢献しているのかもしれませんが、

それよりも、材を産み出すしくみと体制、
またそれらを構成する人たちのよい人間関係、
つまり吉野を取り巻く社会的条件が、
どうもその名声に大きく寄与しているような
気がしました。

2008年9月12日

土香る

カテゴリー: 藤沢む邸


先週から、
荒壁土塗りが始まりました。
美しい竹小舞も、
泥の中に埋もれていきます。

あたりに醗酵した土の香りが
立ち込めています。

今日は蒸し暑い日、
小屋組から漏れる陽射しの
まぶしい日でした。