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2007年9月6日

竹は外、木ずりは中

カテゴリー: 鎌倉く邸


竹小舞に
泥が塗られていく一方で、
2階の間仕切りの
下地となる木ずりが、
打ち付けられていきます。

この家は、
構造上の理由もあって、
2階の間仕切りは、
木ずり下地なのです。

木ずりは、
幅36㎜、厚さ7㎜と、
非常に細かい材、
これを小刻みに
釘で止めていかなければならないので、
大工さんはたいへんですが、
石膏ボードと違って、
ゴミがでないのがいい!

竹小舞と同じく、
下地の状態でも
美しいです。

さて、これから台風だ。

2007年9月5日

箱膳を堪能できる店


私がNPO活動として取り組んでいる箱膳、
それらを堪能できるお店が、
明日銀座にオープンします。

「茶子溜り」
中央区銀座6-8-3 地下1階

箱膳にて、
お蕎麦と和食を楽しむことができるお店です。

当方NPO発で、そこで展示している箱膳は、
・箱膳キット:山梨産
・胡桃の箱膳:山梨産
・栗の箱膳:山梨発
・桐の箱膳(板もの):会津産
・桐の箱膳(框もの):会津産
です。

買うこともできますよー。

和の食と空間、
そして箱膳を堪能しに、
ぜひ足をお運びください。

隠れ家的で、なかなかいいですよ。
地下で携帯もつながりませんし(笑)。

2007年9月4日

木も高齢化社会

カテゴリー: 家づくりの理念

今日は、
神奈川の森や木に関して
相談すべく、
厚木のほうへ行ってきました。

その中で耳に残ったのが、
木が「高齢化社会」を迎えている、
ということ。

つまり、
せっかく植えた木が
ぜんぜん使われないので、
新たに木を植えることができず、
また、
若い木に対して手入れがなされないので、
彼らが‘おとな’になる頃、
使える木が今よりとても少なくなってしまう、
と、そういうことらしいのです。

じいさんたちが植えた木を使い、
孫の代のために、
私たちが森を育てるという、
三世代にわたる森の循環。

木を使うということは、
気が遠くなるほど長い長い年月の、
循環の恵みをいただくことなのですね。

この循環が今、
途絶えようとしているのです。

これは先日うかがった、
飯能の岡部さんも、
同じことを仰っておりました。

戦後、目の前のことに必死だった、
必死にならなければならなかった時代から
一つ階段を上がり、
食も住まいも着るものも、
遠い世代を想い、
そして今、何をなすべきかを
考えなければならない時代に
来ているということを、
改めて感じました。

その中でも、
森に触れ、木に触れるということは、
遠い世代、長い時間を
想うきっかけになり得ます。

木の建築を設計するという、
森とまち、木と人の橋渡しする立場として、
家づくりを契機に、
いや家づくりという、
一生に一度きりのことではなくても、
身近なところ、日々の生活の中で、
森に触れ、木に触れる機会を
提案していきたいと思います。

2007年9月3日

泥塗り順調

カテゴリー: 鎌倉く邸


1階の壁の泥塗りが、
順調に進んでいます。

裏から見ると、
泥がむにゅっと、
点描のように
はみ出ていて、
これはこれで、
意匠の一つとして、
考えられます。

しかしこの部分は、
あとで、
‘裏返し塗’を行い、
一面泥壁となります。

たっぷり塗り厚を確保すれば、
それだけ室内の環境も、
過ごしやすくなりますからね。

にわか柿渋職人

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日の午後、私は、
大工、左官屋さんに混じって、
現場で造作材の柿渋塗り。
枠材を中心に塗りました。

塗るだけではなく、
塗ることで、
材の確認にもなります。

柿渋を塗る意味の
一つといえますね。

2007年9月2日

秋の始まりは泪

カテゴリー: 今日のできごと

昨日、鎌倉市内を車で走っていたら、
我が愛すべき車が、
突如、トンネルの中で止まってしまいました。
その後キーを回しても、
エンジンがうんともすんとも…
あとで車屋に聞いたら、
電子部品の故障とのこと。
体調の優れないHさんを
現在進行中の工事現場まで
ご案内していたところなのに。
Hさん、申し訳ないです。

JAFに電話したら、
1時間半かかるということだったので、
友人を呼んで、
自宅まで牽引してもらいました。

しかし、
トンネルの中で立ち往生すると、
気味は悪いは、
渋滞は引き起こすは、
で、半泣き、とはこのことです。
通行のご迷惑をおかけした皆さん、
申し訳ありませんでした。

・・・

以前この場でも書いたとおり、
私は広島カープを応援していますが、
昨日、前田選手が2,000本安打を達成しました!
際立つ才能と個性、
にもかかわらず、
大怪我を乗り越えての記録だけに、
とても感動しました。

自分も大怪我を負って、
今に至っているだけに、
こうして大怪我を負ってもなお、
這い上がってくる姿は、
とてもうれしくなります。

また、試合の終盤、
前田選手に安打を打ってもらう機会を作ろうと、
周りのチームメイトの粘りも、
感動的でした。

いいチームだな、
と改めて思いました。

…と、これに関して
いろいろ思うところはあるのですが、
書き始めるとしばらく留まりそうにないので、
またゆっくりと。

つまりは昨日、
悲しい涙のあとの、
嬉しい涙の日でした。

生きていれば、
いろいろある、
ということですね。

2007年9月1日

泥の引力

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日の午後、
建て主と現場へ行きました。

現場は、
昨日から泥塗り。

左官屋さんが
泥をこね、
泥を塗っています。

すると、
どこからともなく、
うちのムスメとムスコが現われてきて、
泥こねてます(笑)。

そして、
大きなしゃもじのようなもので
泥をすくい上げて、
塗り手の左官屋さんに、
泥を渡す役。

左官屋さんがやっていると
なんてことなさそうに見えますが、
これが実はたいへん!
泥が重くて、
腰を入れないと
すくい上がりません。
また、
次から次へと左官屋さんが
「泥ちょうだい」と来るので、
始終泥をすくい上げなかればならないのです。
しまいには、
手ですくって渡してましたが…
ま、そのほうが確実ですけどね。

一方建て主は、
コテとコテ板を手にして、
自分で塗ってみることに。
初めてコテを手にしたようで、
悪戦苦闘していましたが、
何とか役割を果たしました。

今回塗った壁は、
たまたま家具で隠れてしまうところだったので、
今度は自分の書斎の壁を、
泥塗りから仕上げまで、
手直しなしで、
全部自分でやってもらいましょう。
左官屋も、そうだそうだと、
にこやかに合意。

・・・

こうして泥塗りが始まると、
現場はにぎやか。

とくに子どもたちが、
現場になみなみならぬ
興味を持つようになりました。

泥の引力は強い。

2007年8月31日

夏の終わりに泥塗り始まる

カテゴリー: 鎌倉く邸


昨日竹小舞が終わり、
今日から泥塗り。

1階の電気配線が終わったところから、
塗り始めました。

塗ったところは、
光を透かす格子から
急に‘壁’になったので、
ぐっと空間らしくなりました。

私はといえば、
連日電気屋と、
配線の打ち合わせ。

この段階で、
電気屋と密な対話が必要なのは、
伝統構法ならでは。

‘懐’がないところを
配線しなければならず、
一方で、
左官屋さんがすぐさま
‘追いかけてくる’ので、
電気屋さん、
たいへんです。

2007年8月30日

小舞お仕舞

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日の午前は、
建て主が休みをとり、
竹小舞かきの体験。

左官屋の湯田さんに、
ていねいに教えていただきながら、
また二人で何だか楽しそうに会話しながら、
手を動かしてました。

そして午前中に壁一枚完了!
ということは、
これが残った最後の壁なので、
竹小舞作業が全て完了!

上棟に引き続き、
建て主に、
仕事の一つの区切りを
〆ていただきました。

建て主さんの熱意と好奇心はもとより、
こうした機会を作っていただく
温かい職人さんたちにも、感謝!です。

そのあと午後さっそく、
左官屋さんは、泥塗りの準備に入りました。

さあ、明日から泥塗りだ。

2007年8月29日

追っかけハイセン

カテゴリー: 鎌倉く邸


竹小舞が
9合目まで達しました。

その竹小舞を
縫うように、
電気屋さんが、
配線を進めています。

壁も天井も、
真壁のこの家は、
‘懐’が少なく、
また、
「ここを通したらいけない」
という場所が多々あるので、
電気屋さん、
たいへんです。

ところで電気屋さん、
穴を開けるだけではなく、
見てたら
大工仕事の腕も
なかなかのもの。

電気の下地が必要と感じたら、
自ら鋸と鑿を持って、
さくさくと木を加工し、
こしらえていました。