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2007年8月3日

やさしい銀色

カテゴリー: 鎌倉く邸


瓦葺きの仕事が
着々と進んでおります。

釉薬を塗らず、
達磨窯で焼いた
燻し銀の世界が
広がってきました。

一枚一枚の色もさることながら、
それぞれが違う表情を持っていて、
彼らの集積が
一つの形を成すことによって、
点描のような、
やさしい印象を醸し出しています。

この瓦、
機能面でも色々ありますが、
(これについてはまた後ほど)
何よりもまず、
焼き人、五十嵐さんの
人柄がにじみ出ている
このやさしい銀色が、
好きだなあ。

一枚一枚形も微妙に違うから、
葺く人を選びますけどね(笑)。

そういえばこの瓦を葺く金子さん、
会う度のあいさつが、
とても気持ちのよい方です。

2007年8月2日

鬼瓦が来た

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日、
五十嵐さんの瓦の
第2便が届きました。

その中に、
棟に載せる
鬼瓦二つ。

恐いけど
少し愛嬌のあるその顔は、
家の一番高いところで、
しっかりと
この家を護ってくれそうです。

それともう一つ、
便の中に、
瓦で作った
建主の表札が入っておりました。

五十嵐さんの心遣い、
本当にうれしいですね。

2007年8月1日

木格子屋根?

カテゴリー: 鎌倉く邸


藤岡の五十嵐さんが、
達磨窯で焼いた瓦を
屋根に載せるための
下地がほぼ出来上がりました。

五十嵐さんからご紹介いただいた
屋根屋の金子さんと、
あれこれ話し合ってこの下地に。

今回、瓦桟を受ける流れ桟を、
通常は左官壁の下地に使う、
木ずり板を使いました。

七寸八分間隔に並ぶ五分厚の瓦残と、
九寸間隔に並ぶ二分三厘厚の流れ桟、
さながら木格子屋根です。

これはこれでなかなか…、
と思っているのも束の間、
早速、軒先瓦と袖瓦が、
瓦桟に沿って、並び始めていました。

そういえばこの下地を見て、
いつだったかどこかで、
「瓦桟に使う木は、
外材よりも国産材の方がうんと長く持つんだ。」
と、そのときの屋根屋が言っていたのを、
思い出しました。

2007年7月31日

カミサマの仕業には逆らえない

カテゴリー: 鎌倉く邸


昨日は、
雷鳴轟く大雨。

そのため、
今朝現場を見てみると、
基礎にくるぶしくらいまで水が溜まり、
午前中図面を引く予定だった私は、
バケツ持って急きょ汲み出し作業。

作業当初、
なかなか水嵩が減らないので、
途方に暮れましたが、
やはり苦労は報われる、
お昼には目途が立ちました。

いやいやおかげさまで、
思いがけず、
腹筋と背筋が鍛えられました。

ところで昨日のカミナリ、
自宅で仕事をしていたら、
ピカッと光って
ドカンと鳴る音の間がとても短かく、
また工事現場が高台にあるので、
ちょっと嫌な予感がして
慌てて藤間さんに電話しました。
するとやはり、
現場から100mも離れていない場所に、
大きなカミナリが落ちたそうで、
その影響で、
どうも枝分かれしたカミナリが
こちらへ来たらしく、
雨が降ってきて野地板の養生をしようとするため、
屋根に登っていた藤間さんたちは、
ビリビリと感じるものがあったようです。

もちろん藤間さんたちは、
慌てて作業を中止し、地面に降りました。

カミナリの落ちた場所が、
工事現場よりも低い場所だったので、
カミサマが一歩間違えていたら、と思うと、
ゾッとします。
カミサマ、間違えてくれなくてよかった…

2007年7月30日

美しい仕事人の必要条件

カテゴリー: 家づくりの理念


左官職人、
湯田さんの仕事は美しい。

昨日開催した家仕事塾にて、
改めてそれを思いました。

湯田さんをはじめ、
これまで美しいと思える仕事をする人たちと、
出会う機会をいただいてきましたが、
こうした人たちには、
共通項があるように思います。

一つ、
仕事をする姿勢が美しい。
弛まず力まず、
身体の幹が整っています。

一つ、
仕事をする環境が美しい。
整理整頓、
身の回りが整っています。

一つ、
仕事の段取りが美しい。
常に一歩先を考え、
流れるように仕事が進みます。

仕事をする身体と場と時間。
これらが整っているのですね。

これらを満たしているからといって、
ただちに技術が伴うというわけではありませんが、
しかし優れた技術を持つ人の
共通項であることは事実。

このことは、
建築の世界に限らず、
どの世界にも共通することであることは、
美味しい食事を提供してくれる
葉山某食事処のIさんの建物を作るときにも、
感じたことでした。

自分を省みて、
その点どうなのかと問われると、
残念ながら返事に窮してしまうのですが、
ただ幸い私の廻りは、
美しい仕事人に恵まれ、
そのことに気付いた今、
自分も美しい空間を設計すべく、
日々以上の事がらを、
心がけて生きたいと思います。

2007年7月29日

土を知る〜荒壁土塗りと泥団子〜

カテゴリー: 家仕事塾


本日、
鎌倉カジュアートスペースにて、
第9回家仕事塾開催!

今日は、
左官屋の湯田さんを招いて荒壁土塗り。
そしてたくさんの方々に
参加いただけることになったため、
湯田さんにお願いして、
特別企画!
磨き仕上げの技術を応用した
「泥団子作り」を行い、
荒壁から仕上げまで、
一日、土を堪能しました。

真夏の蒸し暑い陽の下、
皆さま、
ご参加いただきましてありがとうございます!

まずは作業手順を、
湯田さんが作った見本を使って説明。
またこの見本が、よくできてるんだ。

竹小舞下地に、
手で泥を塗りつけます。
皆さん、童心に帰り、
黙々と作業しています。

今日は、
こんなにおおぜいの方々がご参加。
暑い日だったから、
ちょうどよかったです。

午前中には、
荒壁土塗りの作業は、
終わってしまいました。
すばらしい!

そして午後は、
光る!泥団子作り。

荒壁土で団子を作り、
そのうえに中塗り。
ここまで湯田さんが
仕込んできてくれて、
そのあと参加者は、
仕上げの工程。
赤青黄色のキメの細かい土を
慎重に塗り重ね、
磨きこんでいきます。
(私は写真のとおり、赤色を選択。
琉球の土だそうです。)

湯田さんの指導のもと、
まるで親鳥が
卵から雛を孵すように、
皆さん、丁寧に丁寧に作業。
その成果が表れ、
団子が光り始めると、
もうやみつき。
皆さん、終わることを知らず、
一心不乱に、
大事に大事に団子を育てていました。

ということで、
この小屋作りに関する家仕事塾は、
これにて完結!
およそ5ヵ月間という長丁場、
この場を提供してくださった
カジュアートスペースのマキコさん、
たいへんありがとうございました。
また延べ数十人となる参加者の方々、
文字通り皆さんの手で
ここまで作り上げることができました。
この体験を通じて、
将来の家仕事に対し、
少しでも糧にしていただければ幸いです。
また皆さんのおかげで、
私もこの5ヵ月を楽しむことができました。

しかし!

このたてものは、
8合目までは達しましたが、
完成までにあと2合、
登る必要があります。
引き続きこまごまと仕事がありますので、
その際はまたよろしくお願いいたします。

さて、
いつかこの催しを総括するか!

またどこかでこの企画、
やりたいなあ。

2007年7月28日

何の字?

カテゴリー: 鎌倉く邸


棟木と垂木と空。

これは、
何かの文字にも、
見える。

2007年7月27日

野地板がほぼ終わる

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日夕方、
現場に立ち寄ったら、
野地板がほぼ貼り終えていました。

昨日今日と、
応援の大工が二人来てくれているので、
やっぱり早いですね。

なお、
きらくなたてものやの場合、
原則として野地板を二重に貼ります。
まずは天井の仕上材を兼ねた厚板、
(サワラを使うことが多いです)
次に3cmの通気層があり、
その上にまた野地板。

2007年7月26日

野地板が始まる

カテゴリー: 鎌倉く邸

見納め 其の一

見納め 其の二

なぜなら今、
サワラの野地板を
貼り始めているからです。

サワラという木は、
見た目も、触り心地も
柔らかい。

だから、
真夏の射すような陽の光も、
柔らかく受け止めてくれるのです。

実際、午後の昼下がり、
厚八分の板を貼っただけで、
板の下から手をかざしても、
熱いと感じません。

このサワラの厚板は、
飯能の岡部材木店発。

ボクが今のこの仕事を始める、
きっかけを作ってくれた材木屋さんです。

瓦がやってきた

カテゴリー: 鎌倉く邸


今朝、五十嵐さんの瓦が、
群馬藤岡からやってきました。

今日は、
ここで使う瓦のおよそ半分、
約1,200枚運んできたとのこと。

暑い太陽の下、
瓦の運搬、
おつかれさまです。

とても感じのよい、
ご年配のご夫婦
お二人での作業です。

来週早々、
早速屋根に瓦が載る予定です。