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2006年4月22日

また春が来た

カテゴリー: えこびれっじ


今日は、昨年春に引き渡したコーポラティブハウスの一周年記念パーティーだった。
コーポラティブハウスの5世帯の住民、そして元地主でありお隣に住むS藤さんとMナさんも駆けつけてくれた。
とくにS藤さんは、仕事の合間を縫って来てくださった。

お祝いの席の場で、皆さんから一人ひとり、とてもありがたい言葉をいただいた。
皆さんのお話を聞きながら、建物を作る過程の思い出が一気に蘇ってきた。
そしてこの1年間、そこで皆さんが気持ちよく、良い関係を築きながら暮らしていただいたことを本当にうれしく思う。
コーポラティブ方式は、全てが順風満帆というわけではないし、確かに苦労も多いけれど、その見返りとしての喜びは、とてつもなく大きい。

1年前とは違い、建物に生活が見事に馴染み、また自分自身の家や庭先などを自分達の手で整えていて、家が「進化」していた。
やはり家づくりは、家が完成した時点が完了ではなく、一つの区切りである。
そこで暮らす人が空間に手を入れ、あるいは季節ごとにしつらえを変えていく、こうした姿も「家づくり」なのだ。
家は家でなくなるまで、家づくりは続く。
そのことを今日は再認識した。


最後にS村さん、顔色もよく、元気そうで何よりでした。
たまにはこうして元気な姿を見せてください。

2006年4月21日

紙の世界

カテゴリー: 目黒か邸


紙が作る世界は、はかなくて柔らかい。
柔らかい光と影の世界を作る。
その柔らかさが、生活に心地よい緊張感を与える。
気をつけないと、後々こっぴどく怒られることになりますからね(笑)。
まあ子どもたちというものは、柔らかさのあまり、何かせざるを得ない気持ちになるわけだけど。

そして紙の世界は、八百万。
紙が作る世界は移ろいやすく。
そして紙の種類は、星の数ほど存在する。

紙は、あまりにも日本的な素材である。

2006年4月20日

光を濾過する装置

カテゴリー: ピスカリア


ピスカリアの客席の東側には、摺りガラスが3枚連続して入っている。
淡く東の光を感じるために、また伝統的な建築手法による空間を軽快に見せるためのしかけである。
摺りガラスは、最近では後に述べる欠点のせいかあまり見かけないが、日本で伝統的に使われる障子紙と似て、隣家同士のプライバシーを確保しつつ、光を気持ちよく濾過する装置であり、気に入っている建築素材の一つである。
型ガラスなどのように恣意的ではないから、純粋に淡い光を楽しむことができる。
また、昼と夜とでは違った表情を楽しむことができるのもよい。

摺りガラスの欠点は、水に濡れると透明ガラスのようになってしまうのと、手垢がつきやすいことだ。
欠点を知ったうえで使う場所などを考えたほうがよいであろう。
ちなみにここでは透明ガラスとのペアガラスになっているので、水濡れは大丈夫。

2006年4月19日

来ないにこしたことはないが、来てよかったと思う話

カテゴリー: 今日のできごと

うちの子どもたちは、必要以上に賑やかである。
必要以上に声がでかい。
また姉弟ともに声が甲高いので、必要以上によく響く。
子どもたちが家の中にいる中で仕事をしていることが多いが、遊んだりけんかしたり、まあうるさいもんだ。

しかし、ヨメとともにどこかに遊びに出ていったり、長い間一人家で仕事をしていると、普段はあり得ない静けさになんだか少し寂しく、そして帰宅して急にバタバタする音を聞くと、妙に安心した気持ちになるものである。

ヨメについても、まあ似たような話だ。

ところで今日は一日、二俣川で来るべき「自転車生活」を送るための事前講習を受けていた。
講習の最後の時間、実際に起きた事故の話を記録した映画を見た。
酒酔い運転のおじさんが5人の集団に突っ込み、5人とも即死させてしまったという事故だ。
被害者の一人の家族は、夫婦と子ども2人。我が家と同じ構成だ。
その事故によって奥さんの命が失われたのだが、映画ではその残された家族の悲劇と、そして加害者の家族をも分解してしまう様子を映し出していた。

考えたくもないが、自分に置き換えて想像してみると、そんな世界は想像できない。想像が途中で無意識に止まるというべきか。

本来は交通安全に関する講習であったが、当たり前と思っていた存在の大きさを改めてまざまざと再認識するよい機会であった。

また、12時限あるそれぞれの講義が時間より早く終わることが多く、けっこう空いている時間が長かったので、内職をしたり本を読んだり深く考えごとをしたり、普段はなかなかできないことに手をつけることができた。
また、普段当たり前のように存在する仕事の時間に対して、飢える気持ちが高まったりもした。

自分にとって1ヵ月半に及ぶ「自転車生活」は、この時期の必然だったのかもしれない。

ところで、この講習の参加者は、相対的に喫煙者が多いような気がする。
何でだろう?

2006年4月18日

今日から自転車生活♪

カテゴリー: 今日のできごと

今日から6月初旬まで、しばらく自転車生活だ。
体力の許す限り、しばし自転車での小旅行を楽しみたい。

ついうれしくて、二俣川の長くて眠い講義の後、夕方何年ぶりかに近所のスポーツ用品店に寄り、自転車乗車時装着用の衣服などを買った。

こういうところに来るのは実に久しぶりだったので、ラグビーコーナーに立ち寄ってみる。
ジャージーにせよ、パンツにせよ、シューズにせよ、我々が現役の頃とは素材と形が「進化」していた。
何となく垢抜けましたね。
あと、今はピチピチの練習用ウェアなんてあるんですね。
意味もなく買いかけたが、冷静に判断してやめることにした。

そういえば、7歳になる小柄な息子が、ラグビーに少し興味を持ち始めている。
子どもとやるぐらいだったら膝も大丈夫だろうし、いつか一緒に楽しめるといいなあ。

2006年4月17日

第14回葉山芸術祭出展のお知らせ

カテゴリー: ピスカリア


5/3〜7と13日、ピスカリアを会場に、‘きらくなたてものや’が葉山芸術祭に出展いたします。
題は、「風土と伝統が作る心地よい暮らし」です。
基本的に2階に常駐していますので、皆さんお食事がてら遊びに来てください。
(他の出し物を見学するために、抜け出していることもあります。)

それと13日はナチュラルハーモニー代表 河名 秀郎さんの「目からウロコ」の食に関する講演があります。
こちらは会場の都合で予約制となっておりますので、事前にご連絡いただきますよう、よろしくお願いいたします。

2006年4月16日

与えられた敷地を余すことなく使う

カテゴリー: ピスカリア


写真に写る簾の数センチ先は、もうお隣さんの土地。
ということは、窓から手の届くすぐそこに敷地境界線がある。
本来ならば敷地の「余白」となる部分である。
しかしそこに目隠しも兼ねてパーゴラを作り、簾を掛け、植木を置くと、「余白」をさらに向こうの空間として感じることができる。

ピスカリアの建物が建つ敷地面積は、実は70㎡ない。
決して広くはない。
しかしそれをいかに広く豊かに感じさせることができるか、これは私たち‘たてものや’に課せられた使命であろう。

小さい面積は面積で、建築は楽しい。
むしろ空間を豊かにするために、思いがけない発想が生まれたりもする。

2006年4月15日

‘自主施工ノススメ’の思いがけない効果

カテゴリー: 今日のできごと

今日は気持ちよいお天気の下焼杉作業であった。

ここのところ、週末は焼杉作業、柿渋塗り作業、さらには週末以外でも山を歩いたり炭を埋めたり荒壁土作りを少し手伝ったりと、身体を動かす仕事が多い。
毎日程よい疲労感を感じる。
だからかもしれないが、日付が変わる頃には眠くなって寝てしまう。
今は家で作業していることが多いから、眠いと思ったらすぐにでも寝ることができる生活ということもある。
その代わり、以前と比べて格段に早起きとなった。
朝のほうが作業能率が格段に良いことを知り、朝早起きすることが楽しみなくらいになっている。

2〜3年前、いや数ヵ月前と比べて生活習慣が劇的に変化していることに自分でも驚く。
身体を動かす仕事を日常の中に織り交ぜることは、新たな発見を身体で覚えるということもあるけれど、人間本来の体内時計のリズムを糺す効果もあるのであろう。
だからきっと職人の朝は早いのだ。

そしてこのような日々は、心なしか以前よりも毎日が楽しく感じるのである。
仕事として取り組んでいることではあるが、焼杉作業などが行われる日を、実は楽しみにしていたりする自分がいる。

自主施工を楽しんでくださる皆さん、そして自分を楽しませてくれる皆さんに感謝!である。

2006年4月14日

表の扉のひみつ

カテゴリー: ピスカリア

ピスカリアの入り口に、鉄製の扉とは別に、黒い色した木の扉がある。
鉄製の扉や金物や庇の色合いとよく合う。

しかしこの黒い木の色は塗装によるものではない。
スギを焼いたものなのだ。
しかもIさんによる自主施工。

昔から外壁などに使った焼杉の技術を、この扉に応用。
伝統的な建築手法は、未来への扉となり得る。