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2007年3月12日

カミヲタツ

カテゴリー: 家仕事塾


昨日の襖紙を貼る催しにて、

その作業の、
奥が深いという印象を持った
理由の一つは、
作業をしているときに
講師の山口さんから、
「カミヲタツ」
「カミヲタチマショウ」
という言葉が、
たびたび聞こえてきたからもしれません。

「紙を裁つ」
という意味なのですが、
その言葉の持つ言霊が、
不思議な魔力を
感じさせるのでした。

言霊は大切。
言霊に、
言葉の端に、
その人、そのモノが
象徴されていると感じることは、
けっこう多いと思うのです。

最近の政治家などの発言もしかり。
…と、これ以上書くと長くなりそうなので、
このへんで。

2007年3月11日

衣ヘンに奥と書いて襖、襖は奥が深い

カテゴリー: 家仕事塾

今日はカジュアートスペース主催「家仕事塾」の第二回目。
今は画家でいらっしゃいますが、昔々紙を商い、表具師として働いていた山口さんを講師にお迎えして、襖の貼替え作業を行いました。

朝はあいにくの大雨で、
そのせいか予定していた参加者も減り、
こじんまりした会でしたが、
かえって和気藹々と、
おしゃべりしながら
楽しく作業することができました。

また、
紙を貼るときは少々湿気が多いほうがいいので、
その意味では、
絶好の紙貼り日和でした。

まずは戸ブスマから。
下地の板に、
茶巾(下地の紙)を袋貼りします。

茶巾を一枚貼った後の様子。
その後下地の縁を一寸五分ほど残して、
茶巾を貼り進めます。

次に、仕上げとなる紙を袋貼り。
まずは紙を裁ち、
裁った紙の縁に、
糊(正麩糊)を付けます。

次に、
縁以外の部分に、
水を伸ばします。
斑がないようにまんべんなく伸ばすのが重要。

水を伸ばした後、
しばらく置いて、
それを建具に貼ります。
皆さん、なかなか上手。
紙を貼った後、
水が引いてピンと伸び、
とてもよい仕上がり。

仕上げの紙に全面糊付けして、
下地の板に一発で貼る方法もありますが、
下に一度紙を貼れば、
職人技がなくとも貼れるし、
また、
下地のアク止めにもなるという
効果があります。

次に、昔ながらの襖骨下地の襖。
実際にカジュアートスペースで使っている襖に紙貼り。
貼る作業の流れ自体は、戸ブスマとほぼ同じ。

そのあとは、
山口さんが、
予め分解した襖骨を、
組んでくださいました。

たくさんの棒状の木が組み合わされ、
あっという間に、格子状の襖骨へ。
接着剤を使っていないから、
何度でも分解・組立が可能です。

最後に、框と引手金物の取付、取り外し方法を教わりました。

実際手を動かしてみてみると、
襖をはじめに作る仕事は、
職人技でしかできなさそうですが、
紙を貼り替えたりという後々の手入れは、
それほど細かいことを言わなければ、
少し訓練すればできそうです。
また、この手入れの技術は、
壁などにも応用可能。

しかし何よりも、
この作業は思ったよりも楽しい!
自分でできれば、
意匠も色々、楽しめそうです。

2007年2月25日

竹取物語 於:鎌倉城廻

カテゴリー: 家仕事塾


カジュアートスペース主催の「家仕事塾」が本日ついに始動!
当方この催しの「案内人」として関わらせていただいております。

今日は、竹小舞の材料を調達するために、鎌倉城廻に先祖代々凡そ五百年(!)もそこで居を構える農家の方のご好意により、その方がお持ちの竹林の中で作業しました。

まずは竹林でマダケを伐り、

その竹の枝を掃って、
竹を割き、

という仕事を、
丸一日かけて行いました。

その中で、
竹割きの作業は、
スパーンと気持ちよく、
人気でしたね。

お天気のほうは、
暖冬といわれている今年の冬ですが、
今日は冬らしく、
きりりとした寒さが沁みる日で、
しかしかえって太陽のありがたみを感じ、
また、身体を動かしていたので、
むしろ程よい冷たさでした。

竹林という場所も、
竹林が発するマイナスイオンの効果なのか、
とても気持ちよかったです。

昔の人たちは、
地盤を整え、
気持ちよい場と食べ物を得るために
屋敷の近くに竹林を植え、

一方で竹林は、
適度に間引きしなければならないのですが、
間引きによって得た竹材を、
こうして建物に使ったり、
あるいは数多くの竹道具や竹細工を作ったり、
と、この見事な循環。

ただ残念なことに、
昔はそうであったのに、
全国的にみると、
竹林は今なかなか人の手が入らず、
手が入らないがために、
竹林が辺りの野山を荒らし、
たいへんな状況となっています。

しかしこうして、
仲間とおおぜいでワイワイいいながら仕事すると、
楽しいし気持ちよいし、
しかも竹林もサッパリとなって、
お互いによい思いをすることができます。

こうした観点からも、
竹小舞をかいて泥を塗るという、
昔ながらの壁作り、
また昔々の
「結」という家づくりのしくみが、
見直されるといいな、と思います。

・・・

では次の「家仕事塾」は、
3/11(日)。
襖の張替えワークショップを行います。
楽しいし、きっとタメになるので、ぜひ!