新旧折り重なる1
上里は邸の竣工写真シリーズ。
(畑拓さん撮影)
玄関から家の中を望む。
新旧様々な要素が
折り重なった景色です。
鎌倉は二階堂、
丘の上に立つ改修現場にて。
元々間仕切りの襖が
入っていたところに
防音を兼ねて
土壁をこしらえることに
なりました。
竹を割り、
小舞をかき、
追いスサをして
土を練り、
土を塗る。
その作業の手は、
建主さんとその仲間たち。
常に楽しいお話が
飛び交って、
一日があっという間に
過ぎていきましたが、
皆さん手際よく、
明日も丸一日
作業を予定していましたが、
あと半日もあれば
終わりそうです。
土の仕事は
仕事した!という充実感が
感じられるので
やっぱり楽しいですね。
そしてこの日を皮切りに
晩秋までこの日々が続くと思うと
うれしいです。
なんかこの仕事するために
図面描いているみたいだな(笑)。
上里は邸にて。
本日夕方、引き渡し。
約2年にわたる
長い長い物語が
一区切りしました。
打ち合わせしていた頃は
生まれたての赤ん坊だった子も、
広いおうちの中で
走り回っています。
引き渡し直前に
障子の張り替えのご依頼を
いただいたため、
筬格子戸に納まっていた障子が
お出かけ中でしたが、
それがかえって、
引き渡し時のたくさんの思いが
透けて見える様子を
象徴しているように感じました。
達成感とともに
さみしい気持ちで
この場を後にしましたが、
直後に建主さんからも
さみしいですとメールが来て、
時間かかってしまったけど、
そう思ってもらえる仕事ができたのかな、と
充実した心持ちで帰路につきました。
上里は邸にて。
この家の2階は、
昔お蚕さんが
住んでいて、
元々どーんと
開放的だったのですが、
改修により
人間に明け渡すことになっても
開放性を維持することにしました。
子どもたちが
ちょっとした運動会が
できそうですね。
ご近所の方より、
2部屋の和室の床が
ぶかぶかとするというので
修繕のご依頼を
いただきました。
敷居の低い、
地域に根付いた
「きらくなたてものや」を
めざしているので、
最近こうしたご依頼が増えて
とてもうれしく思います。
さてそのご依頼をいただき、
週の初めに
荒床を剥がしたら
シロアリの被害が激しく、
当初は荒床だけの予定が
急きょ大引から交換することに。
そして畳は
予定どおりの表替え。
大工の仕事は増えましたが、
それでも短期間で、
ご依頼主さんも
「わあ」とつぶやくほど、
部屋が見違えるように
なりました。
畳の部屋は
下地も含めて改修しやすく、
表層も容易に取り換えられ、
気分を一新できるのが
いいですね。
改めて畳のよさを
見直しました。