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2008年6月10日

屋根の下が心地よい訳

カテゴリー: 今日のできごと


達磨窯のある
五十嵐さんの工場にて。

生の粘土で成型した瓦は、
ご覧のとおり、
一日二日、天日干しされます。

しかし雨に当たると
土が流れてしまうので、
雨が降りそうになると、
これらをすべて、
急いで屋根の下に片付けます。

だから四六時中、
お天道様の具合を
確かめておく必要があります。

もちろん、
達磨窯による燻し瓦作りで、
対話が必要なのは、
お天道様だけではありません。

土と向き合い、
土を重ねてできた窯に、
木をくべ火を焚き土を焼き、
水(蒸気)でゆっくり冷まして、
鐘のような音を鳴らす
瓦ができます。

つまりここの瓦は、
一人の人間が、
瓦を造る全ての工程で、
一時たりとも途絶えることなく、
自然界にある全ての要素と
全身全霊、五感を開き、
対話することによりはじめて、
生まれてくるのです。

だからこそ私たちの頭の上で、
陽や雨をやさしく受け止め、
末永く、私たちに心地よい空間を
もたらしてくれるのだと、
瓦の作り方を見ると
納得するものがあります。