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2015年1月9日

みどりあっての

カテゴリー: 海老名た邸


海老名た邸にて。
畑拓さんが撮影した写真その2。

庭の植木越しのたてもの。

緑あってのたてもの、
緑あってのまちなみ、

と改めて思います。

緑があれば、
まちはもっとステキになる。

板張り七合目

カテゴリー: 鎌倉大町み邸


鎌倉大町み邸にて。

黒褐色に塗られた杉板張りが
七合目、といったところでしぃうか。

だいぶ仕上がりの様子が
見えてきました。

始まりの儀式の準備


明日はいよいよ
みんなの稲村プロジェクトにてよいとまけ。

建主さんとそのお友だちの方とで、
その準備をすすめました。

今日の日中は
本当に気持ちがよいお天気で、
明日のワクワク感が
いっそう高まりました。

明日は延べ50人くらいになりそうで、
満員電車並みになりそうですが、

始まりの儀式、
みんなで一体となって
楽しみたいと思います。

2015年1月7日

きらくな版今後の省エネルギー対策のあり方に対する意見

カテゴリー: 家づくりの理念


今後の住宅・建築物の省エネルギー対策の
あり方に対する意見へのパブリックコメントが
年始早々の昨日〆切だったので、
駆け込みで以下のとおり
意見を述べさせていただきました。

色々書きましたが、
つまりは様々な暮らしの哲学がある中で、
それらの一部に制約を与えてよいものか、
という疑問を投げかけたいと思っています。

建築界の絶滅危惧種の主張の一つとして
お読みいただければ幸いです。

・・・・・・・・・・

「検討趣旨」について
「居住・執務等のために消費されるエネルギー量は、他分野に比べ増大傾向が顕著であり」,とありますが、居住のために消費されるエネルギー量のうち約1/3を占める暖房エネルギーについて、ここ50年間の一戸当たりの消費量の推移を調べてみました。1965年から1973年の間、つまり高度成長期に一気に1.68倍に膨れ上がり、それ以降は現在に至るまで、ほぼ横ばいまたは漸増傾向にあります。一気に増加した1965年から1973年にかけては、こじつけかもしれませんが、土壁が衰退し、現代的な乾式工法の黎明期と一致します。つまり伝統的な工法を手放し、現代的な豊かに見える生活を手に入れた結果、暖房エネルギーがわずか10年足らずで1.68倍も増えました。さらに、いささか皮肉的に捉えると、30〜40年前は断熱材がほとんど入っていなかったのに対し、ここ十数年は「省エネ」の概念が浸透してほぼ必ず断熱材を入れていますが、暖房エネルギー量は減るどころか、少し増えています。
いずれにしても、以上のことを含め、もしエネルギー消費量の増大が顕著だとすれば、どの分野の増大が顕著か、詳しい分析を行う必要があるように思います。

「講ずべき施策の方向」について
 私たちが目ざすべきは、あくまでも「省エネルギー」です。外皮性能の向上だけが着目されていますが、無駄な物的消費を抑える、エネルギーに対する課税を強化する、などといった、他に効果のありそうな方策にも着目すべきです。
 実際、「省エネルギー化」を図るために、今すぐに取り組むことのできない建築物の改善よりも、暮らし方を見直すことにより解決しようとする国民が少しずつ増えてきている実感があります。またその暮らし方を見直す契機づくりを、国が行うべきと考えます。

「外皮性能の確保」について
 日本建築家協会(JIA)が建築の外皮性能とエネルギー消費量の相関関係の調査を行い、その調査に関わらせていただきましたが、外皮性能とエネルギー消費量が比例的な関係にあるとはいえず、むしろ住まい手の過去の生活履歴や暮らしの哲学にかなり影響されると私は推測します。
確かに外皮性能を上げれば、一時的に現在よりも消費エネルギーが低減する傾向にあると思うのですが、しばらくして外皮性能の高い居住環境に慣れてしまえば、再びエネルギー消費量は増え始め、あるいは私たちの温度変化に対する適応力がますます劣っていくのではないかという懸念を抱いています。事実、数十年前までは夏季にエアコンがないのは当たり前でしたが、現在ではなくては暮らしていけないと考えている方が多いのではないでしょうか。またエアコンの普及率と熱中症による死亡者数の相関関係を調べてみると、ここ数十年の間、逆比例関係にあるどころか、比例関係にあります。

あたたかな浴室

カテゴリー: 海老名た邸


海老名た邸にて。

畑拓さんが撮影した
写真その1。

床がコルクタイルの
足元があたたかい浴室。

サワラの板の色も、
見た目にあたたかさを
もたらしてくれます。

2015年1月6日

2015新年のカキシブ隊のご案内

カテゴリー: 告知・連絡


皆様はどんな
お正月だったでしょうか。

私は子どもが
大学受験ということもあり、

テレビでスポーツ観戦以外は、
家および事務所を
ほとんど出ることなく、

ずっと掃除と整理の日々でした。

数日間集中的に
作業することができたので、
年の初めにだいぶ
すっきりすることができましたが、

こんな正月の過ごし方もよいな、
と思いました。

さて表記の件、
新年のカキシブ隊のご案内です。

カキシブ隊とは、
大工が手作業で刻む柱や梁など全てに、
柿渋を塗る作業のことです。

柿渋を塗ると、
色合いが揃ったり、手垢がつきにくかったり、
カビや虫を避けてくれたり、

そんな効果を期待して塗るのですが、

仲間たちとの作業を通じて、
大工の仕事を肌で深く知り、
また共感の輪が広がるという、
かけがえのないタカラモノを
得ることができる場でもあります。

共同作業の楽しさと力を感じに、
ぜひ多くの皆さまのお越しを
お待ち申しあげております。

なおご参加いただける方は、
人数確認、および道具等の準備のため、
お手数ですが事前に以下の宛先まで
ご参加の旨のご連絡をお願いいたします。
tamotsu.hidaka@kirakunat.com

■2015新年のカキシブ隊

・日時…平成27年1月17日(土) 9:00〜日没まで
・場所…厚木市飯山 吉岡木材
・集合…9:00現地集合(本厚木駅からバスでアクセス可能です。)

【連絡事項】
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル
(柿渋は衣服等に付着すると、二度と落ちません。)
・雨天中止の場合、当日7時までに作業実施を決定のうえ連絡申し上げます。
・ご都合のよい時間だけでもOKです。
・交通手段、詳細の場所等の事務連絡は、改めて個別にさせていただきます。
・昼食は用意、またはごちそうします。
・交通費を支給させていただきます。
(一律1,000円とさせていただきます。)

2015年1月5日

2015きらくな年賀状

カテゴリー: 今日のできごと


新年明けまして
おめでとうございます。

本年も変わらず、
伝統的な手法を参考に、
現代を心地よく楽しく
暮らすための場づくりに
努めてまいりたいと思いますので、
よろしくお願いいたします。

さて今年の年賀状は、
「光と影を編む」と言葉を添えて
「きらくな網戸」を
紹介させていただきました。

現在きらくなたてものやが
定番のようにこの横格子網戸を
使っているので、

いつしか私の仲間たちは、
これを「きらくな網戸」と
呼ぶようになりました。

よく言われることですが、

ものごとには必ず
陰と陽がある。

影があるから光が生きる。

そんなことを暗示させる
「きらくな網戸」ですが、

この網戸は約三年前、
実は家づくりに要するおカネを
少しでも削減しようと考えた末に
生み出されたもの。

当初は、硝子戸、網戸、雨戸、
という三種類の引込戸を
設ける予定だったのですが、

雨戸は家を風雨から守る、
というよりは、

暑い日の夜、
安心して風を通したいという
要望を踏まえてのことだったので、

だったら建具の本数を減らすために、
鍵を掛けながら
風を通すことができないものかと
網戸をデザインすることにしました。

結果、
当初の目的を果たすだけではなく、
この光と影を編むような建具の影が
とても美しく、
また思いのほか外の風景を
阻害しないので、

とても気に入って、
それ以来ことあるごとに
提案しています。

このように、
かけるおカネを減らす、という
一見「陰」の要素にみえることですが、

それがあるからこそ、
いろいろと知恵を巡らせ、
新たな工夫という
「光」が生まれる。

その意味でも
この「きらくな網戸」は、
「光と影を編む」象徴とも
いえるのではないかと思います。

これからは人口が減り、
それに伴って
私たちがいる建築の世界も
需要が減って、

そろそろたいへんな時期に
差しかかろうとしています。

ましてや伝統的な工法は、
「絶滅危惧種」。

そんな「陰」「影」の要素が
押し寄せる時代だからこそ、

それらに打ち勝つとか、
負けるとか、
そういうことではなく、

如何に影に光を
織り込むことができるか、
私たちの生き様が
問われるのだと思います。

そんな思いで今年一年、
引き続き楽しく心地よく
暮らしていきたいと思いますので、
皆さまよろしくお願いいたします。