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2016年4月1日

あげざる

カテゴリー: 改修の仕事

戸塚の古民家改修現場にて。

いよいよ工事も最終段階。

今日は建物西面の開口部に

建具が入りました。

四枚建ての硝子戸に二本の網戸、

そして一筋の敷居に並び、

戸袋に仕舞う四本の雨戸と、

昔ながらの建具の構成です。

これまで雨戸は、

楽に引き出せるように

それぞれの雨戸が

レールに乗って出てくるように

納める場合が大半でしたが、

今回は一筋の敷居。

それはそれで、

建具の様々な仕掛けが見れて

おもしろいです。

その一つは

雨戸の鍵となる「上げ猿」。

これをなぜ「猿」と

呼ぶのでしょうね。

もう一つ、

建築には「猿」が登場しますが、

それは面の種類の一つで

猿頬面(えてぼうめん)。

これは猿の頬の形に

似ているからなのですが、

この錠の仕組みが

なぜ「猿」を連想させるのか

少し空想を張り巡らせようと思います。

ところで猿錠が付いている

中桟をよく見てみると、

上に溝が掘られていました。

建具屋さんによると、

戸袋から引き出す時に

この溝が手掛けになって

出しやすいように、とのこと。

さすが、の細工です。