野地板半分
小田原お邸の建前の前、
二宮し邸に立ち寄ると、
早くも野地板が
半分終わっていました。
見上げて空が見えるのと
見えないのとでは、
だいぶ世界が違いますね。
こうして刻々と、
現場は動いていきます。
一昨日の昼前、
左官屋の湯田さんから連絡があり、
手広た邸にすぐ来れる?とのこと。
駆けつけると、
湯田さんたち3人の
いたずらっぽい、
うれしそうな顔。
するとアプローチの部分の両脇に
栗の木を焼いて作った竿掛と、
足元には、
大きな藤の蔓で作った竿置が、
できていました。
建物が完成しかけの頃、
建主さんから車止めの相談があり、
それを受けて湯田さんと、
どんなんがいいかねえ、
という話をしていたのですが、
先日湯田さんたちが
竹小舞用の竹を伐りに行った際、
里山の中で
材料を見繕ってくれたようです。
この人たち、
確か左官屋なんですけどね(笑)
壁だけではなく、
空間を美しく仕上げることが
大好きな人たちで、
左官屋の域を超えて、
もはや芸術家です。
もちろん、
湯田さんたちが塗る壁は、
たいへん美しいです。
昨日の建前は、
人数が少なかったこともあり、
私も地下足袋履いてお手伝い。
そして無事昼前に上棟。
午後はゆっくりするかな、
と思っていたのですが、
駐車スペース確保のために
泥箱を小さくするか、
という話が持ち上がり、
そこからがさあ大変。
大工衆が屋起こししている間、
言いだしっぺの大工Kさんと、
見学しに来たはずなのに
なぜか手伝うはめになった
鎌倉か邸の‘か’さん、
そして私とで、
泥まみれになりながら悪戦苦闘。
最後は全員を巻き込んで、
ぎりぎり日暮れ前までに
泥箱の移動に成功しました。
上棟の日に泥まみれになるのは初めて、
「なんでやねん」とか言いながら
作業しましたが、
正直に申し上げれば楽しかったし、
いい思い出になりました(笑)。
しかし夜の上棟祝いは、
水洗いして濡れた服を
そのまま来ていたので、
寒かったー。
終わった後、銭湯に直行しました。
建前が始まる朝。
これから立ち上がる
静かなワクワク感が、
現場に満ち溢れます。
職人が刻む木組みの建前は、
カケヤで響く音がサイコー!です。
きらくなたてものやの
もはや恒例、
最後の棟木を
建主自ら叩いていただきました。
朝は小雨が
パラついていたのですが、
上棟した昼には、
雲の合間から、
青空が覗いていました。
ああ、美しい空。
上棟直後。
足場に座り込む職人たちから
安堵の心持ちが伺えます。
日が暮れると、
現場に紅白の幕を巻いて、
上棟のお祝い。
今回は建主さんが料理人を
現場に連れて来てくださり、
その場で料理を
振舞ってくださいました。
お味はもちろんのこと、
盛付も華やかで、
よりお祝い気分が
盛り上がりました。
ありがとうございました!
なお料理人の方は、
近々横須賀の秋谷で
お店を出す予定とのことです。
ぜひ伺いたいですねー。
1階の床板貼りが進行中。
貼っている板は、
柔らかな表情の
サワラの板です。
この家は居間の真上に
吹抜けがあるので、
上から作業の様子が
よく分かります。