寝室の葛布の襖
八王子や邸の
寝室の襖は、
目の粗い
ざっくりした
仕上がりの葛布。
建主さんの一番の
お気に入りです。
しかし、
持っていらした葛布が
少し足りなかったこともあり、
腰貼を施しました。
八王子や邸の襖は、
建主さんがお持ちだった
三種の手漉きの葛布を
貼っています。
前も申し上げたとおり、
葛布は今、機械で漉いていて、
手漉きの葛布はもう
ほとんど手に入らないとのこと。
機械漉きの葛布も
悪くはないのですが、
手漉きのものと比べると、
やはり味わいの深さは
手漉きのものには
かないません。
葛はその辺の里山に
たくさん生えていますが、
漉いてくださる人が
いなくなってしまったという
ことですね。
こんなに味わい深く、
またたいへん長持ちだというのに、
実にもったいないことです。
こうした手工芸品が
生き残れる世の中で
あってほしいと思います。