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2006年3月3日

残りわずか

カテゴリー: ピスカリア


写真は、お店で使う予定のテーブル。
床材で使ったクリの厚板を転用して作った。

それ以外でもIさんは、自分の丸鋸など大工道具を購入して、時間を見つけてはせっせと収納用の家具を作ったりした。

そのため、この建築現場は、驚くほど残材が少ない。
いくら伝統構法の現場はゴミがとても少ないからといって、ここまではならない。

この現象はIさんの機転によるところが大きいけれど、材を使い回し、ホネの髄まで無駄なく使うことができるというのは、伝統構法の特徴だ。

それでも余ったらしばらく置いておいて後で使ってもよいし、あるいは薪にして燃料にすればよい。

それもこれも知恵次第。
知恵が満載だから、伝統構法は面白いのです。

輪廻転生

カテゴリー: ピスカリア


先ほどの記事のように、失われる生命もあれば、再び生きる生命もある。
写真は、葉山にある桜花園という、古材などを扱う店で買ってきた建具。
訳あって建具を取り付けたい場所ができたのだが、時間もお金も残り少ない中で、古建具を取り付けることになった。

それにしても昔の建具は芸が細かい。
見れば見るほど感心するばかりだ。
そしてこれが2万円しないとは…

桜花園さん、N邸に引き続きお世話になります。
こうして家の中に一つでも、昔のものが入るのはいいものです。

※桜花園HP
http://members.jcom.home.ne.jp/okaen/indexf.html

2006年2月25日

ガラス屋の世界

カテゴリー: ピスカリア


今日は朝から夕方までI邸の現場に居て、細々と作業をした。
今日は大工、アイアン屋、ガラス屋、設備屋が現場に入り、また最後は板金屋とエアコン屋が顔を出して、竣工直前ならではの慌しくも賑やかな雰囲気だった。

ガラス屋の須藤さん。
今日はお互い「待ち」の時間が多かったので、ガラスの切り方、コーキングをうまく打つための道具、ガラスの種類についてなど、仕事の話をいろいろ聞くことができた。
それぞれ「プロ」の世界があるんだなあ、と改めて感心した。

…昼過ぎになり、玄関ドアが取り付けられてガラスを入れ、コーキング作業にとりかかる。
ガラスをはめ込むのは数十分。
しかしコーキング作業に2〜3時間要していた。
その大半は養生作業。
90cm×2mの建具だけど、養生の長さはなんと30m以上にもなる。
しかも養生テープをきれいに貼るのはとても根気のいる作業なのである。
養生テープをようやく貼り終わった後、「腰が…」と言っていたが、納得!の作業である。

ところで須藤さんは、大東文化大学ラグビー部がとても強かった時代のスクラムハーフで、当時高校ラガーマンで大学ラグビーの試合をテレビや生でよく観戦していた私としては雲の上の人のような存在である。
とはいえイカつい印象ではなく、とても柔らかい、物腰の低い方で、まさか「あの須藤さん」とは、話をするまで気がつかなかった。

2006年2月23日

まちが作る家

カテゴリー: ピスカリア


南側にバルコン兼パーゴラを取り付ける工事の様子。

敷地に余裕がないため、隣接するH後さんのお庭を全面的にお借りして作業。
音もバリバリ立てているのに。
いや本当にありがとうございます。

このお庭は、休憩時間にも休憩場所として使わせてもらっています。

お庭だけではありません。
駐車場に、職人たちや私の車も、快く停めさせていただいております。

さらに3軒先のK峰さんのところにも、車を停めさせていただいております。

H後さんやK峰さんに限らず、近所の皆さん、毎日のように現場の様子を気にかけてくださっています。
お友達のように、話しかけてくれます。
「まだやっとんのか〜」という感じでしょうが(笑)。
皆さん、完成したらおいしいごはんを召し上がりに来てください。

家づくりを通じて、こうして建主、職人、設計者、近所の人たちが顔の見える気持ちよい関係作りにつながっていくのは、うれしいですね。

この家は、このまちの皆さんとともにあります。

(…なんだか、市議会議員の街頭演説みたいだな。)

伝統構法なのにイタリアン続編

カテゴリー: ピスカリア


先日塗った土佐漆喰混じりの砂漆喰。
乾いて少し白くなった。

それでもほんのり黄色を帯びていて、真っ白よりも品がある。

昼休み、建具屋の新井さんと話していたのだが、湯田さんが塗ると、粗い感じで塗っても端正に感じる。

葉山なのでまりんらんぷ

カテゴリー: ピスカリア


客席に通じる廊下に、マリンランプが取り付けられる。

今まで、どちらかといえば照明器具はできるだけ存在感がないように設計することが多かったのだけど、この照明器具を見て考えが変わった。
マリンランプ。
「葉山」によく合う。

照明器具が取り付けられるということは、あともう少しで完成!!
待ち遠しいが、さみしいなあ。

2006年2月19日

伝統構法なのにイタリアン

カテゴリー: ピスカリア


湯田さんによる左官仕事が終わった。
2階は白土塗。
1階のお店になる部分は、砂漆喰(土佐漆喰と白漆喰を混ぜてます)。
いわば日本で伝統的に使われる仕上だけど、ガサッと塗ってもらうと一気にイタリアンな雰囲気となる。
これが左官仕上のおもしろいところだ。

左官だけではない。
日本の伝統的な手法だけを使っても、空間を作るうえで様々な実験、挑戦は可能だ。

日本の職人文化のこと、木の文化のこと、森のことなどを考えると、この先「伝統的手法」による仕事を続けていきたい。
しかし伝統的手法を使うとしても、こうして「今」の空間を形作っていきたいと思う。
逆に「今」の空間を提案していくことによって、伝統的手法が生きたものとなり、存続していくものだと考えている。

2006年2月17日

白土が乾いてくる様子

カテゴリー: ピスカリア


2階に塗った白土が乾いてきている。
写真を見ると、端から乾いている様子がうかがえる。

乾く途中の壁も、立体感があってふくよかな感じがして、いいなあと思う。

2006年2月13日

N邸の軸組模型

カテゴリー: 横浜な邸


N邸の軸組模型がほぼ完成した。
写真を撮ってこうしてみてみると、本当に上棟したときの様子のようだ。

これが実物大でできるまで、約1年。
改めて、家づくりに関わる人たちとその過程をじっくりと楽しんでいきたい。

2006年2月11日

白土を塗る

カテゴリー: ピスカリア


2階は中塗りのあと、おっかけで白土を塗り、仕上げの工程に。
白土だけど、乾くまでの間、写真のとおり淡い緑を帯びている。
これはこれで美しい。
乾くまでの過程も左官の壁の楽しみの一つ。

それにしても湯田さんの塗っている姿といい、塗られた壁といい、とても端正だ。
襟を正したようなチリ廻りです。