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2009年1月25日

白沙村荘

カテゴリー: 今日のできごと

今日は一日、
家で図面作業。

とくにできごとという
できごとがなかったので、
今日の話題は、
昨年末に訪れた、
そして折を見て訪れる、
京都の白沙村荘について。

ここは私が学生時代、
住んでいた下宿の
すぐ近くだったのですが、
初めて訪れたのは、
京都を離れてからでした。

というのも、
入館料が800円。
(※学生500円)
貧乏学生には
ちょっと難しい金額でした。

さてここは、
橋本関雪という、
明治から昭和初期にかけて
活躍した日本画家が、
住んでいた邸宅と庭園。

現在記念館として、
開放しています。

銀閣寺のすぐそばにあって、
目の前の人通りは多いのですが、
あまり知られておらず、
また入館料が高めということも
あると思うのですが、
いつ来ても
ひっそりとしています。

それだけにここは、
心落ち着いて見学を
楽しむことができます。

ここで私のお目当ては、
池のほとりに立つ門魚亭

不整形な屋根と開口の
質素な庵が、
絶妙なつり合いで
池の上にせり出しています。

この小さな庵は、
危なげで不整形であるがゆえに、
人の心を惹きつけてやみません。

私はここへ来るたび、
この庵の横でしばし佇むのですが、

静寂な庭の中で
心落ち着きつつも、

この遊び心と
愛嬌溢れる空間を眺めながら、
微笑みを浮かべつつも、

心の中ではなぜか、
熱い創作意欲が
かきたてられるのです。

2009年1月23日

記憶喪失のまち

カテゴリー: 今日のできごと

今日久しぶりに、
幼少のころから小学6年生まで
住んでいた最寄りの駅で
電車を降りました。

いつ以来でしょう?

しかしこのまちは、
区画整理が行われ、
道路も建物も
何もかも一新され、
昔の面影は全く
なくなってしまいました。

だいぶ前に来た時、
私が子どもの頃
覚えているまちなみが
まだそこにあった時は、
多少お店や建物が
入れ変わっていたとしても、
ここで○○したなあ、とか、
ここの○○はうまかったなあ、とか、
一歩一歩ごとに記憶がよみがえり、
とてもなつかしくて
そしてなぜか
ドキドキしたものでしたが、
今日来た時は、
私の全く知らないまちでした。

一方、今日の夜、
建築史を学ぶ講座に参加。
その講座で講師の方の
「歴史は時の積み重ね」という言葉が、
お昼のできごとがあっただけに、
よけいに胸に沁みました。

戦後私たちは、
戦争の嫌な記憶を、
捨て去りたかったからでしょうか、
あるいはがむしゃらに、
前を向くしかなかったからでしょうか、
これまで先人が積み重ねてきたものを
否定するどころか、
その存在すら記憶から、
消し去ろうとしてきました。

いやそうすることこそが、
戦争から立ち直り、
戦後の高度成長を遂げる
原動力だったのかもしれません。

ただ今日、
その流れを酌む結果に直面してみて、

がっかりというよりも、

しみじみと、
無常とはこのことか、
と感じ入るというよりも、

全てが無になり、

お互い何も知らない、
赤の他人同士に引き裂かれ、
そこにもう愛は
失われてしまった、

そういう‘乾いた’
気持ちがしました。

しかしこれは、
他所者の勝手な意見、
例えるならば、
昔付き合っていた異性の
結婚相手に口出すようなもので(笑)、
区画が変わる直前まで、
そこに住んでいた人たちの声を
ぜひ聞いてみたいところです。

一方なぜ私は、
歴史都市、いや歴史都市でなくとも、
時を丁寧に積み重ねたまちに
心打たれるのか、

それは単に、
まちなみの美しさ
ということだけではなく、
その理由が肌で
分かったような気がしました。

2009年1月18日

森の話、木の話

カテゴリー: 今日のできごと

大磯エピナールで開催されている
職食まつり学園の一環で、
「風土と職人が作る家づくり」について
お話しする機会をいただいています。

今日はその初回。
「森の話、木の話」を
させていただきました。

遠くからいらしてくれた方もいて、
ありがとうございます!

私はこうして
家づくりについて学べる場を
大事にしていきたいと思っています。

次回は、2月15日(日)。
「木組み」についてお話したいと思います。
皆様、よろしくお願いいたします。

2009年1月16日

ついに我が家に

カテゴリー: 今日のできごと


ついに我が家に、
念願のピアノがやってまいりました。

所員の家の建て替えにあたり、
手放すというので、
引き取ることにしたのです。

今まで家では、
電子ピアノで鍵盤を
楽しんでいたのですが、
いくら今の電子ピアノが
本物のピアノの触り心地を
マネしていたとしても、
やはり本物とは、
感じる重さが全然違う!ので、
よそでピアノを弾く時、
指先のカンが狂ってしまいます。

それが家で本物を
弾けるようになるなんて、
すばらしい!

折を見て
楽しみたいと思います。

2009年1月15日

富士山の麓へ

カテゴリー: 今日のできごと


富士山の麓で暮らす自給自足の大家族、
木の花ファミリーに行ってきました。

ここでは皆さんと私たちが思い描く
将来の建築構想があるのですが、
今はこれに充てられるおカネが少なく、

しかしだからこそ、
みんな前を向いて歩けば、
楽しい発想がたくさん出てくるわけで、
今後とても楽しいことになりそうです。

もっと言えば、
幸せに暮らす、建てることの幸せとは
何なのかを改めて考えさせられる
仕事となりそうですね。

ということで、
今後の展開に乞うご期待!

ところでここへ来ると、
雄大な富士山を楽しむことができます。
不思議なのは、
眺める場所が少し違うだけで、
大きさ、形の印象が違うということです。

例えば以下の写真2枚。
撮った場所は数百メートルと離れていませんが、
下のほうが大きく見えます。

空間を考えるとき、
ある対象物をどう見せれば大きく見えるか、
それとも目立たなくすることができるか、
という参考になりそうですね。

2009年1月14日

すむをつむぐ

カテゴリー: 今日のできごと

きらくなたてものやの所員、
せんだふみが、
実家を建て替えることになりました。

その家づくりの物語を
自身で綴ることになりましたので、
皆さま、そちらもどうぞ
よろしくお願いいたします。

すむをつむぐ

2009年1月12日

木の郷を見に行く

カテゴリー: 今日のできごと


今日は知人に誘われ、
新月伐採後、葉枯らし乾燥中の木が
転がっている山を見に行きました。

険しい斜面ときりりと冷える山の中、
連日の宴の酔いが一気に醒め、
身が引き締まる思いに
心地よさすら覚えました。

それにしてもここで仕事する人たちには、
本当に頭が下がります。

さて、山の所在は、
私と住所と同じ神奈川県の秦野。

地元でより質の高い材木を得るために、
人と木の顔と所在がはっきりと分かる
取り組みには関心があります。

課題はたくさんありますが、
この木たちを
どのようなしくみで活かしていくか、
考えていきたいですね。

2009年1月11日

みんなで観ました

カテゴリー: 今日のできごと


今日の夜、
TV東京系「完成ドリームハウス」にて、
鎌倉く邸の家づくりの過程が放映されました。

その時間、
家づくりに関わった職人が鎌倉く邸に集結し、
しかもずっと張り付いて私たちのことを
撮影してくれたテレビ局のスタッフも合流して、
みんなでその番組を楽しみました。

画面に誰か映るたび、拍手喝采。
まるでビデオカメラで撮った運動会を
みんなで見返しているようで、楽しかったです。
よい記念になりました。

番組では、
大工、左官、瓦屋さんが
主に脚光を浴びていましたが、
あまり映らなかった
足場屋さんも、基礎屋さんも、
材木屋さんも、板金屋さんも、
硝子屋さんも、建具屋さんも、
水道屋さんも、電気屋さんも、
鍛冶屋さんも、誰一人欠けても、
こうした家づくりはありえないわけで、

そんな皆さんとまた今年一年、
このすばらしいチームで
よい家づくりに邁進したいと思います。

2009年1月10日

新年明けて、建主さん大集合!

カテゴリー: 今日のできごと


新年明けておめでたい、

ということで今夜、
きらくなたてものやの建主さん7組と
岡部材木店、藤間建築工房の方々が
今日が年始初営業日のピスカリアに集結し、
新年会を行いました。

ピスカリアの建物作りも
きらくなたてものやが関わったので、
正確に言えば建主さん8組ですね。

ピスカリアの相変わらずの
おいしいごはんとともに、
皆さんとの交流を楽しみました。

家づくりは、
家を作るだけではなく、
家族にとっての大事な物語作り、
今日その物語の主人公がたくさん集まり、
交わることによって、
それぞれの物語が
今後さらに深みのあるものに
なっていくことを楽しみにしています。

それでは今年もまた、
皆さんとともに
風土と職人が作る家づくりを
楽しんでいきたいと思います。

2009年1月6日

京都の板壁あれこれ

カテゴリー: 今日のできごと

年末年始の妻の実家へ帰省中、
学生の頃住んでいたあたりでもある
銀閣寺周辺を徘徊しました。

ちょっと回っただけですが、
様々な板壁と遭遇。

学生時代は、
こういったところに
ちっとも目が向かなかったけど、
今のような仕事をしていると、
まち全体が博物館のように思えて
楽しいですね。

銀閣寺に向かう参道の
裏道で見つけた蔵の板壁。

長い年月風雪を経た板壁に
なぜこのように風化の色の差が
くっきり出るのか、不思議です。

ベンガラ混じりの板壁。
上1枚は遠目でよく分からなかったのですが、
少なくとも中と下の2枚は、
焼杉+ベンガラ仕上げ、
現在建築中の藤沢む邸と同じ仕上げです。

銀閣寺の板塀。
これはいわゆるふつうの焼杉ですね。

黒く焦げた部分が流れて、
柔らかい感じになっています。