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2009年12月9日

小屋組を塗る

カテゴリー: 改修の仕事


今日は一日、
葉山の改修工事の現場。

改修工事により、
2階を居間とし、
天井をとっぱらって、
小屋組を見せることにしたのですが、

もう少し見栄えするように、
サンダーを当て、
柿渋を塗ることにしました。

当然、天井の上に
あったものですから、
脚立をかけ、
ときにはアクロバットな体制で、
塗る箇所箇所に養生をして、
柿渋を塗って…、
いや、洗うという表現のほうが
相応しいかもしれません。

だから柿渋塗りは、
塗装屋さんにお願いするのではなく、
自分たちで
行うようにしています。

これらが数週間後、
赤褐色に変わっていく姿が
楽しみです。

2009年11月11日

仕上げは自分で

カテゴリー: 改修の仕事


現在葉山で、
改修工事が大詰め。

壁は建主さんが
ご自身で塗ることに
なっているのですが、

今日はその初日で、
左官屋の湯田さんと
きらくなたてものやを交え、
作業を行いました。

仕上げの仕事、
とりわけ左官仕事は、
思いのほか
養生や下ごしらえが
たいへんで、

今日は半分以上、
その仕事でした。

こうして最初は
おおぜいで背中を押して、
順調に仕上がっていけばと
思います。

楽しみ、楽しみ。

2009年11月4日

割れても分身

カテゴリー: 改修の仕事


現在、改修工事にて、
五十嵐さんが達磨窯で焼いた
20cm角の敷瓦を10枚、
土間に埋め込んでいます。

中には割れてしまった瓦も
出てくるので、

いっそのこと
小さく砕いてしまい、
これを50cm角の中に
並べてみました。

なかなかいい感じです。

割れた瓦はこれ以外にも、
もっと細かく砕いて、
砂利代わりに庭先に撒いたり、
といろいろ使えます。
(焼きものなので、
水をよく吸い、
水はけがよくなります。)

五十嵐さんが大事に焼いた瓦、
無事に焼けた瓦はもちろんのこと、
できれば分身も
余すことなく
使いたいですからね。

いろいろ使いみち、
考えてみたいと思います。

2008年1月20日

改装全景

カテゴリー: 改修の仕事


昨年末行った、
改修工事の全景です。

床はカバ、
家具と列柱はクリ、
天井はサワラ、
壁はしっくい、

以前よりも、
明るくあたたかい感じに
なりました。

2007年12月29日

古いご縁で新境地

カテゴリー: 改修の仕事


年末は、
私が社会人になって
まだ間もない頃からご縁のある
代官山にある築十数年の
鉄筋コンクリートの建物の
模様替えの仕事を行っておりました。

主に、
内装を木と漆喰に替え、
厨房廻りを新調し、
というお仕事です。

使った木は、
天井がサワラ、
床がカバ、
家具・造作がクリ
(一部ヒノキ)。
いずれも淡い黄色の
おとなしめの木肌、
漆喰の白と相俟って、
清楚で明るい印象の
空間となりました。

また厨房も、
アイランドっぽい配置に。
居間と厨房の空間に
一体感が生まれ、
空間が広く感じるように
なりました。

約10坪の空間に
およそ1年、
じっくり(すぎ?)と
時間をかけて練った計画だけに、
手応えを感じる空間となりましたし、
また実際、
とても喜んでいただくことが
できたのではないかと思います。

また、
通常行っている
木造伝統構法の仕事は、
「構造かつ意匠」、
極論すれば、
構造を如何に見せるか、ですが、
こうした鉄筋コンクリートの
模様替えの仕事は、
自然素材で作るという
理念を踏襲しつつも、
基本的に意匠ありき、なので、
(といっても冒頭の写真の
面白いカタチは梁型に由来)
とても新鮮に感じました。

こうした新たな境地を開く
機会をいただくご縁に、感謝です。

※一部未完のまま引き渡しましたので、
全体像は、また改めて。

2007年12月13日

サワラの勾配天井

カテゴリー: 改修の仕事


現在、
鉄筋コンクリート造の建物の
模様替えが進行中。

天井には、
明るく清潔感のある
サワラの板貼り。

板貼りの天井は、
奥行を感じます。

2007年1月12日

「目」の字の改修工事

カテゴリー: 改修の仕事


話は遡るのですが、
昨年末、鎌倉で「目」の字の改修工事を行いました。

その家とは、
昨夏開催した山梨での「山仕事塾」の帰り道に
初めて出会いました。

私より少し‘年上’のその家は、
三連泊した山梨から帰ってきて、
我が家の近所だったということもあったのか、
初めて会うのに懐かしい、

とくに夏の夕暮れどき、
白熱球に照らされた
畳と細格子の間に居ると、
そこに居合わせた小学生のSZちゃんが、
‘妹’と見紛うほどに、
自分が幼い頃に帰ってきたような気がする、
そんな家でした。

しかし一方でその家は、
大事な‘骨’がだいぶやられていて、
ナマズが暴れたりすると、
相当不安を覚える状態でもありました。

安心してその屋根の下で暮らせるために、
手を入れるべきお金のことを考えると、
普通に考えれば、
この家はもう、寿命なのかもしれない、
とも思ったのですが、

しかし、
背伸びしなくても済むお金の範囲で、
この懐かしい家が、
生き長らえることのできる術はないだろうかと、
建物作りをナリワイとする者の一人として、

また、もしこの問いに解を得たならば、
これも‘伝統’を現代に継承する、
一つの手段ではなかろうかということで、
何とかよい企みを考えてみたい、
そうした使命感のようなものが、
私の中で沸々と湧いてくるのでした。

そして建て主のIさんと話し合うこと数ヵ月、
行き着いた結論は、
既存の傷んだ木組みを敢えてそのままに、
そこに「目」の字の木組みを添えて、
建物を支える、というものでした。

そうすれば、
IさんとSZちゃんの手で塗った、
かわいらしい紅色の壁も、
壊さずに済みますしね。

ところで、なぜ「目」の字だったのかというと、
まずは耐震補強によく使われる筋交いの、
「×」の字を家の中で描くのが、イヤだった(笑)。
往々にして金物も見えてしまいますしね。

その代わり、
三尺四寸角の二本の横の木で軸組を固め、
それが結果的に「目」の字となりました。
伝統構法で使う「貫」の応用です。

それと、二本の横の木のところに、
何か飾る余地ができる、
あるいは、
きっと子どもが登って遊んでくれるといいな、
という思惑もあったのですが、
年末私が家を訪れると、
そうした思いが通じたのか、
SZちゃんがそこに登って遊んでくれていたので、
「ヨシヨシ」と、心の中で叫ぶのでした(笑)。

この改修工事の結果、
建て主のIさんのほうでも、
これを契機にいろいろヒミツの企みが出来たようで

施工面積わずか0.3㎡ではありましたが、
お互いに大きな意味を持つ、
とても楽しい仕事となりました。

それでは、Iさん、
ヒミツの企みを、楽しみにしてまーす!