宙に浮く部屋
町田か邸にて。
この家のロフト(小屋裏収納)は、
どの壁と接することもなく、
宙に浮いた部屋のような
感じとなっています。
また床が段違いとなり、
さらにロフトが
向かい合わせになるように
左右対称に2ヵ所あるので、
ちょっと楽しいことに
なっています。
「収納」が目的でなければ
ならない床ですが、
間違いなく子どもは
ここで遊びそうです。
あ、大人もかも(笑)
先日書いたとおり、
カキシブ隊では
文字どおり1本1本の材木を
つぶさに観察することが
できるわけですが、
とくに昨日のような
2階の床梁を塗ると、
たくさんの種類の継手・仕口に
出会うことができます。
これらの大工仕事は、
実用としての結果ですが、
造形としても
心惹かれるものがあり、
また想像力をかき立てられて、
眺めていて楽しいです。
私たちがめざしていることの一つは、
「伝統工法」というよりも、
過程が楽しいこと、美しいこと
その成果として、
味わい深い空間を作ること
なのかもしれません。
こうして並んでいると、
機関車が並んでいるようですね。
通し柱に刻まれた
落し蟻の仕口。
抽象画のようです。
天気予報では曇り、
しかし実際は
わずかに霧雨のお天気。
カキシブ隊は
雨に当たってはなりませんが、
しかしそれでも
カキシブ隊を決行。
今日は
材寸の大きい2階床梁の塗装を
予定しており、
それなりに場所が必要だったのですが、
たまたま材木屋さんの下小屋が
広く空いていたので、
そこを使わせていただきました。
さて今日の参加者は、
建主さんご夫婦、
建主さんのお母さま、
建主さんの奥さんのお父さま、
いつもありがとうございます!
日野の‘い’さんと、
大和の‘ほ’さん、
そしてきらくなたてものやから3名。
なお、私は11時頃合流、
‘ほ’さんは午前までの作業でした。
なにしろ今日は、
2階床梁と通し柱と、
大きな材木ばかりでしたが、
10時休みを取らずに
がんばっていただいたこともあり、
3時のおやつまでには
柿渋を塗る作業が終了、
そしておやつを食べた後に、
材木を積んで、
いつもより早めに
終わることができました。
さあ次は来週4月6日。
残るは柱と小屋束で
おしまいです。
今日の成果。
前回塗った材木たち。
しっかりと色づいています。
横浜あ邸にて。
昨日は冬が戻ってきたと思うほど、
とても寒い日でした。
吹きさらしの現場の中も、
外の気温とほぼ同じ。
そんな現場の中で、
大工の藤間さんと、
建具屋の新井さんと、
外部木建具の納まりについて
打ち合わせを行いました。
この家は南面の木建具が印象的な、
とても開放的な家なのですが、
高台に立つので、
風の圧力も受けやすく、
木建具の納まりが
肝になるのです。
養生板に原寸図を描きながら、
アツいアツい話し合いは、
昼食を挟んで3時間以上。
寒さを忘れるほどでした。
でも寒かった(笑)
鎌倉大町ほ邸にて。
この家の浴室は、
当初ハーフユニットだったのですが、
その部分の木組みが
惨憺たる状況だったので、
急きょ方針変更。
考えに考えあぐねた結果、
基礎を立ち上げて、
木の浴槽を入れることになりました。
なぜ木の浴室が、
構造補強になるの?
と思うかもしれませんが、
この部分は、
建物を持ち上げて基礎を作り、
土台を差し替えるという作業が
たいへん困難を極めると判断し、
既存の木組みの中に、
もう一つのしっかりした構造体を作って、
それに既存の木組みを抱かせ、
なおかつ鉛直荷重の支持を
真下で確保し直す、
という方法を取りました。
フタを開けて
既存の木組みを見た時は、
大工ともども
たいへん重い心持ちになりましたが、
結果的に木の浴室になって、
建主さんに喜んでいただけるのでは
ないでしょうか。