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2012年12月6日

仕事に事欠かない

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

竹小舞かきが終わって、
ホッと一息ついたのも束の間、

建主さんたちに待っていたのは、
外壁に貼る板に
柿渋コートを塗る仕事。

毎日現場に来ては、
少しずつ進めてくださっています。

今日はあたたかな日和で、
作業するにはちょうどいい日でしたね。

現場で「ラグビー」

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

‘そ’ちゃん、
現場の吹抜けから
ラグビーボール(の形をしたクッション)発射!

子どもって悪いことする時って、
なんでこんなに活き活きと楽しそうなんやろ。

ところでこの
ラグビーボール型のクッションは、
私が高校時代、
菅平の合宿で買ってきたものです。

現在は車で仮眠する時の枕として、
車の中に置いてあります。

これを見つけた‘そ’ちゃんと、
しばし現場で遊びました。

将来本物のラグビーをやることに
ちょっと期待(笑)

2012年12月4日

艶めかしい壁

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

土を塗って数日後、
乾きを待つ土壁。

なめらかな土が
灯りに照らされて、
艶めかしく映ります。

現場の夜景が映える季節

カテゴリー: 町田か邸

昨日のことですが、
夕方から町田か邸へ。

するとあっという間に
陽が暮れてしまいました。

現場にいると、
陽の長い短いが、
如実に分かりますね。

そして冬は、
現場の夜景が
美しい季節でもあります。

とくにここは、
玄関に入って見上げた時の
格子床がお気に入りです。

今は竹小舞が覗く土壁との
ツーショット。

そのうちにこの壁も
全面に土が塗られていきます。

2012年12月3日

砂上の楼閣

カテゴリー: 今日のできごと

昨日の朝、中央自動車道の笹子トンネルで、
たいへん痛ましい事故が起きてしまいました。

命を落とした方が、
9名もいらっしゃるとのこと、
心よりご冥福を
お祈り申し上げます。

私もここを通って
山梨に通い詰めていた時期が
あっただけに、

この事故は本当に心が痛みます。

事故の原因は、
天井支持部の老朽化とのことですので、

保守点検業務の改善が
望まれるところです。

とはいえ、です。

人間が作るものには
生きものと同じ、
永遠に命はありません。

しかもこうした土木の産物は、
地形が動けば壊れてしまうわけですから、

五十年百年の単位では
大丈夫かもしれなくても、

五百年千年の単位で見ると、
どうなるか分かりません。

昨年の三月のように、
「千年に一度」が、
明日起こるかもしれません。

たまに山の上で、
ここは大昔海の中だった、なんて
びっくりするような話を
聞くことがありますが、

それくらい地球は動く、
ってことです。

私たちはものを作る時、
できるだけ長い間、
生き続けてほしいと願いながら
手を動かすことが
多いと思うのですが、

しかし私たちの土台である
地球には逆らえません。

しかも、
幾ら保守点検に力を入れたとしても、
ものも「生きもの」ですから、
いつかは絶対に寿命を迎えます。

諸行無常。

私たち人間はここ数十年、
何かを作る時に、
そのことを意識してきたでしょうか。

住まいのほうは、
どうせ二十〜三十年で
ダメになってしまうから、
という心で、
作り続けてきたようですが、

それはさておき、
例えば道路、
例えばトンネル、
例えばダム、
例えば高層建築物、
例えば原子力発電所、

いくら丈夫に作っても、
永遠の命、

いつまでも絶対大丈夫、
ということはありえません。

そして巨大であればあるほど、
それらが寿命を迎えた時、
私たちに甚大な影響を及ぼします。

その後の廃棄物処理も、
想像するだけでたいへんそうだ。

悲しいかな、
私たちの暮らしは、
そのようなインフラに支えられて
栄えてきました。

そう考えると私たちは今、
堅牢に見えて脆い、
砂上の楼閣の上に
暮らしているということを
自覚する必要があるように
思います。

そう、昨日のニュースを聞きながら、
私の頭の中でつぶやいた言葉は、
「現代は、砂上の楼閣」。

そんな砂上の楼閣への依存から
少しでも脱却するために、

粘り強い、
地に足付いた暮らしの基礎を
改めて作り直していきたいですね。

2012年12月2日

あたたかな集まり

カテゴリー: 二宮し邸

今日は午後から
二宮し邸の竣工祝い。

家づくりに関わった職人および
その家族たち14名をお招きいただき、

盛大に家の完成を
お祝いしました。

竣工祝いは、
こちらからお願いして
開催していただいているわけではなく、
ご厚意による開催なのですが、

やっぱりこうした機会は、

完成した様子を
上棟や竹小舞かきをはじめ、
作る過程を思い浮かべながら
ゆっくりと楽しみ、

また
お住まいになってからの様子を
しみじみと拝見でき、

さらに建主さんと
仲間の職人たちとの絆を
再確認できる場として、

たいへんありがたく思います。

そして建主さんの手による
心のこもったおいしい料理!

きらくなたてものやの自慢は、
料理の上手な建主さんが
本当に多いってことです。

それはなぜなのか、
考えてみたのですが、

家づくりの時と同様、
料理を作る時も、
溢れんばかりの愛情を
注いでくださるからだと思います。

そんな愛情で包まれた料理と
お住まいの空間で、

外はたいへん寒い日で、
また大きな吹抜けのある家なのですが、

これまた愛情詰まった
床暖房のおかげもあって、

身も心もあたたかな
時間を過ごすことができました。

最後のあいさつでも
申し上げたのですが、

確かにこの家は、
できるだけおカネをかけない
ローコスト住宅でした。

ローコストな分、
構造はいたってシンプル、
また設備仕様もシンプル、

壁は荒壁土仕上げ、

そして手間賃を
少しでも節約するため、
自ら建主さんが
他の家以上に
手間をかけた家でした。

手間をかけただけ、
注がれた愛情、

この家は
その愛情があたたかさとして
ひしひしと感じる家でした。

ものづくりには、
技術も必要、
また現実的におカネも必要、

だけど最も大事なことは、
「愛」だということを
大いに再認識することができました。

そんな「愛」に溢れた場を
設けてくださり、
‘し’さん、
本当にありがとうございました!

建主さんが用意してくださった
料理の一部。

これ以外に
もっとたくさんあったのですが、
すみません、食べるのに夢中で
写真は食べ始めに撮影したこれだけ(苦笑)

ムスコの‘た’くんは、
終始大工の‘こ’さん一家になついて
ご機嫌に遊んでました。

こちらのムスコさんも、
将来大工か?

灯りにともされた
お住まいの様子の一部。

荒壁土は「下地」に留まらず、
仕上げとして美しい素材だな、と、
改めて思いました。

最後みんなで
記念の集合写真!

2012年12月1日

初冬のカキシブ隊開催!

カテゴリー: 横浜港南あ邸

いよいよ最後の月、
12月に入りました。

今月半ばに横浜で
上棟を予定していますので、

それをめがけて
毎週カキシブ隊結成となります。

私は今日、
午前中は地元の会合、

また午後は少し
町田か邸に立ち寄ったので、

夕暮れ時に合流したのですが、

日中は天候不順のため
四苦八苦したそうですが、

順調に大きな梁と通し柱、
また管柱を数十本、
塗ることができました。

建主の弟さん、

いつも来てくださる
日野の‘い’さんと
大和の‘ほ’さん、

そして所員の二人、

凍てつくほどの寒い中
ありがとうございました!

次回は12/8。
横浜あ邸のカキシブ隊も、
いよいよ最終回です。

乾きを左右するのは

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

今週から本格的に
竹小舞に土を塗り始めました。

例年に比べて寒く、

土を塗るには
ギリギリのタイミングでしたが、

乾燥している時期のためか、
思いのほか順調に
乾き始めています。

むしろ暑い夏季よりも
乾きが速いかもしれません。

土の乾きは、
温度よりも湿度に
左右するのかもしれません。

2012年11月30日

木と光を魅せる改修

カテゴリー: 今日のできごと

伝統工法の仲間の職人たちと
先月から取り組んでいた

バリアフリー化を目的とした
集合住宅の改修がほぼ完了しました。

鉄骨造の集合住宅だろうと、
こうして「木を魅せる」ことによって、
見た目にあたたかみが増します。

今年の冬は寒そうですが、

また世間は何かと「戦闘」モードですが、

木で心をあたためて
ほしいですね!

ということで空間の様子を、
この場で紹介させていただきます。

奥行きがあり、
光の入りづらい廊下だったので、
建具や木格子の間から、
できるだけ光の射し込む廊下に改変。

内装に使う材も、
極力明るい色のものを
選びました。

新井さん作の建具。

軽やかに見えるように
上へ行くほど白太が増す木配りが
心憎いです。

また鏡板の板と板の間には、
一分ほど目透かしとなっています。

見た目のこともありますが、
これによって木の膨張、収縮により、
建具全体が極力変形しないためです。

ちょっとしたことに
思うかもしれませんが、
技術的には一手間かかる仕事です。

列柱が印象的な居間。

居間に面する硝子の建具を開くと、
廊下と居間と寝室が、
柱一本残して一体化します。

柱一本残る感じは、
「田」の字プランの
古い民家のようです。

安心して窓を開け、
また洗濯物が干せるよう、
格子で囲まれたウッドデッキ。

格子はヒノキで作りましたが、
建主さんの手で
柿渋コートを縫っています。

ウッドデッキ夜景。

作業最終日の今日、
建主さん親子と一緒に、
床に蜜蝋ワックスを塗りました。

大工も全面的にお手伝い。

また網戸納品のため
少し立ち寄った硝子屋も、
世間話かたがた、
養生貼りを手伝ってくれました。

仲間で仕事することの
楽しさとありがたさです。

2012年11月28日

土塗り始める

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

建主さんたちが施工した竹小舞に、
今週から土が塗られ始め、

家の中の光の様子が
少しずつ変化していきます。

毎度のごとく、
竹小舞が塗りこめられる淋しさと、
前に進む喜びが同居します。

4月に捏ねた土は、
当初黄色かったのですが、

稲藁が発酵することにより、
少し緑がかりました。

左官屋の湯田さんが、
スコップでていねいに切り崩し、

更に新しい稲藁を投入し、
入念にかき混ぜて塗っていきます。

荒壁土を塗りたての表情。

これは外壁側ですが、
この家の壁は主に、
この土の一発仕上げとなります。