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2008年9月24日

‘昔色’を掛け合わせ

カテゴリー: 今日のできごと


藤沢む邸の焼杉作業では、
どういった仕上げにするか、
色々試しながら決めました。

向かって右から、

バーナーで焼いた杉板、

焼いた杉板の煤を
洗い落としたもの、

焼いた杉板に、
油で溶いたベンガラを塗り、
拭き込んだもの、

焼いた杉板の
煤を洗い落し、
その上に油で溶いた
ベンガラを塗ったもの、

油で溶いたベンガラを
塗ったもの。

昔から使われていた
着色の技法を組み合わせるだけで
様々な表情を作り出すことができます。

しかもいずれも、
現代の塗料などでは醸し出せない
趣があります。

またこれらの色を
建主自らの手で作り出せるというのが
いいですね。

自分で手をかけて
これらの色が表れたとき、
何ともいえない感激があります。

2008年9月23日

焼杉隊始まる

カテゴリー: 藤沢む邸

藤沢む邸の外壁は、焼杉板。
焼杉作りは、自主施工です。

ということで今年も
焼杉隊の季節がやってまいりました。

今日の参加者は、
建て主さんご一家、
設計者仲間の‘ま’さん、
NPOつながりで東京から‘ひ’さん、
午前だけ大宮から応援の‘あ’さん、
そしてきらくなたてものや2名。
皆さんありがとうございます。

いつものことながら、まず、
バーナーで杉板を焦がします。

そのあと、
これまでの仕事では、
焼いた煤を掻き落とし、
古材のような色として仕上げていましたが、
今回は焼いた後に、
ベンガラを塗ることにしました。

柿渋を作っているトミヤマの社長吉村さんが
以前「木の建築塾」で仰っていた仕上げで、
実際試してみたところ、
仕上がり具合が何ともいえぬ
深い色合いでよかったので、
今回採用することにしました。

ベンガラを塗った直後の様子。
なおベンガラは、
亜麻仁油500ml+桐油500mlにつき、
ベンガラ150gの配分で溶きました。

そのあと拭き上げると
こんな感じです。

深い紫といいますか、
赤黒いといいますか、
言葉では表現しがたい
玄奥な色です。

・・・・・

ということで次回は9/27(土)。
ついでに申し上げれば、
その次は、10/12、10/13に作業します。
興味ある方はぜひ!

2008年9月22日

ひさしぶりにようねた

カテゴリー: 今日のできごと


昨日は泥コネ。
やっている間は
元気に作業していましたが、
やはり身体全体の
筋肉にきてました。

その日午後9時前には
いつの間にか、
仕事部屋の床板の上で
突っ伏して寝てしまい、
日が替わる手前で
これはいかんと一度起きて
布団の上で就寝し直し、
そして朝6時半まで
ぐっすり寝てしまいました。

ひさしぶりに心おきなく
たっぷりと眠りました。

今日は食も進み、
身体は疲れているのですが、
爽快という、
不思議な感覚の一日でした。

そういえば7月の泥コネの時も、
帰り道猛烈に眠くなり、
コンビニの駐車場で
寝てしまったのでした。

恐るべし、
泥の催眠術。

2008年9月21日

9月は茅ヶ崎で泥コネ

カテゴリー: 今日のできごと

今日は茅ヶ崎あ邸の泥コネ。
ここのところ、
毎月泥をこねている
きらくなたてものやです。

本当は昨日作業を行う予定でしたが、
昨日は台風が近づいてくるということで延期、
しかし台風は早々に通過し、
昨日は台風一過のよいお天気、
そのかわり今日は、
朝は曇りでしたが、
昼前から雨がちのお天気でした。
しかも一時は、
轟音を立てながら降るほど。

そんなお天気でしたが作業を強行。
水を使う作業なので、
まっいいか、ということと、
参加した皆さんの熱気で、
そのまま突き進みました。
皆さん、風邪などひかぬよう。

さてそんな中参加してくださったのは、
建て主さんご家族、
藤沢から‘ひ’さん‘さ’さん、
茅ヶ崎から‘は’さん、
所員‘せ’の友人お2人、
今回工事を担当する予定の工務店から4人、
きらくなたてものや2人、と、
だいぶにぎやかでした。

作業中も泥を足踏みしながら、
色々な話に花が咲きましたね。

皆さん、ありがとうございます!

それともう一つ、
この場で多大なるお礼を申し上げるべきは、
敷地近くの中学校です。
便所を使わせていただくことから始まり、
お昼土砂降りの中、
どこでごはん食べようか、
と思っていたら、
この泥だらけの連中にひるむことなく
お部屋を一つ提供してくださり、
大いに助かりました。

ありがとうございます!

午前中は2人が、
先日那須で調達した稲藁を切る作業。
ひたすら、2寸(約6cm)の長さを目安に切ります。

一方で、その他大勢は泥コネ。
今回工務店のご縁で耕運機を借りることができたので、
まず粘土を耕運機でほぐし…、

これに切り藁と水を入れて、
ひたすら、ふむ、ふむ、ふむ!

ずっと足踏み運動で、
全身の筋肉にこたえますが、
踏めば踏むほど泥がまろやかになり、
いい感触になるので、
つい時と我を忘れて、
踏み続けてしまいます。

今日の主役は彼。
建て主さんのお孫さんです。

どんなおしゃべりな大人も、
3歳になる彼にはかないません。

彼の行動、発する言葉、
全てが注目の的でした。

最初は藁の山で大はしゃぎ。

最後のほうでようやく、泥の中へ。
最初はイヤイヤだったのですが、
次第にエンジンがかかってきました。

ところで毎月立て続けに
泥をこねていますが、
全体の傾向として、
この仕事は子どもたちのほうが
大喜びするのかなと思ったら、
どちらかというとおっかなびっくり、
むしろ喜んで作業しているのは、
大人のほうですね。
童心に帰ることができるからでしょうか。
あるいは今日も話に上っていたとおり、
日常を忘れて、無になれるからでしょうか。

そんな無になれるひととき、
次回は10/5(日)を予定しています。
皆さま、ぜひご参加ご検討ください。

2008年9月20日

鎌倉ほ邸は今 080920

カテゴリー: 鎌倉ほ邸


貫伏、斑直しが
乾いてきました。

荒壁土に砂を混ぜているので、
ひび割れが少なく、
ざらっとしています。

大工仕事のほうは、
1階の床貼りが
ほぼ終わろうとしています。

藤沢む邸は今 080920

カテゴリー: 藤沢む邸


外側から土を塗る、
裏返し塗りが
ほぼ終わろうとしています。

土が乾こうとして、
あたりに湿気と土の香りが
たちこめています。

2008年9月19日

きらくな風仕事場論

カテゴリー: 今日のできごと


私は今、自宅の一角を
仕事場として使っています。

幅10.5尺×奥行7尺、
約4畳分の広さ、

そこに、
パソコン4台、
(実質稼働3台)
製図台1台、
プリンタ1台、
コピー&プリンタ複合機1台、
電話兼ファックス、
法令集や建築関連の資料、
文房具類、
現在進行形の仕事の資料
等が置かれています。

確かに打ち合わせは居間で行ったり、
あるいは雑誌やカタログ類、
過去の仕事の資料、
資材や工具類等は、
別の場所に置いていますが、

その広さの中を3人で仕事しており、
先ほどのものを置いてさらに
1人当たり4÷3≒1.33畳ですから、
決して広いわけではありません。

それもそのはず、
元々この家を事務所として使うことは
想定していませんでしたので、
仕方ないといえば仕方ないことです。

私の家の広さを知る人に
「今、家で3人で仕事している」というと、
よく「どこで?}と聞かれるくらいです。

とはいえその広さで
仕事に支障を来しているかというと、
そうでもありません。

むしろ、
所員とのやり取りがしやすいですし、
必要なものが数歩以内で届きますので、
楽に思うくらいです(笑)

また経営的にも実質、
事務所分の賃料負担が
必要ないので助かります。
その分を稼ぐために
さらに仕事を取ってきて
お金を稼ぐというのも
あまり性に合いません。

ですのでよほど困らない限り、
当面はこの場所で
仕事をしていきたいと思っています。

もう一つ、
決して広くはない空間を
うまく使う、広く見せる、
という訓練にもなります。

それは、
建築設計者として、
空間構成を工夫するうえでの参考になる
という面もありますが、
それだけではありません。

使ったものは早めに片付ける、
使うものを吟味し、
使わないものは置かない(買わない)、

といった心がけが求められます。

突き詰めれば私は、
そうした取り組みは、
今すぐできる
環境活動の一つなのではないかと
思っています。

2008年9月18日

おあずけ

カテゴリー: 今日のできごと


今日、仕事の用事で
ピスカリアに行きました。

到着時間は、
予定を少し超え、
夜6時半過ぎ。
営業時間の真っ只中です。

そんなときに
訪れたものですから、
美味しそうな香りが漂い、
一気に腹が減ります。

しかし諸事情で
帰らなければならず、
心から泣く泣く、
ピスカリアをあとにしました。

ここへ来るならば
仕事の用事があったとしても、
食事をいただくつもりのほうが
精神衛生上、よさそうです。

近いうちまた来よう。

2008年9月17日

きずり

カテゴリー: 鎌倉ほ邸


現在の鎌倉ほ邸、
現在2階の間仕切り壁に
下地として
木ずりを打ちつけています。

このあと中塗をかけ、
仕上げ塗を施していきます。

2階の床梁にかかる荷重を
できるだけ軽くするため、
また少しでも電気配線しやすいように、

一方で一般的によく使う
石膏のゴミを出したくないので
2階の間仕切り壁には
下地に木ずりを使います。

こちらの下地も、
竹小舞とは違う
美しさがあります。

2008年9月16日

わらを求めて

カテゴリー: 今日のできごと


土壁を仕込むのに使う稲藁を求めに、
那須の澤田さんを訪れました。

日本の主食は米、
稲藁など日本全国どこでも
調達できると思いがちですが、
ところがどっこい、
なかなか手に入りません。
できるだけ農薬を使っていない
田んぼの藁となると、
なおさらのことです。

なぜかというと、
私は田んぼのことは
あまり詳しくないので
細かいことは申し上げられませんが、
稲を収穫する際、その多くは、
藁を使うことを前提としないで
機械で刈り取り、
ましてや刈った藁を
はざ架けして干すという手間を
かけることは稀となってしまったのです。

しかしこうした時代の中、
澤田さんは藁を商っていらっしゃいます。
あるところにはあるんだなあ。

藁の出荷先は主に牧畜と工業用。
牧畜で使う場合は、牛や馬のえさです。
馬はとくに、藁に少しでもカビが生えていると
すぐに下痢を起こしてしまうので、
藁の品質管理がとてもたいへんなようです。

そうした中で澤田さんが扱う藁は、
とても評判がよいようで、
宮内庁をはじめ、
各地から引き合いがあるようです。

実際拝見しましたが、
確かに香りがとても
まろやかな藁でした。

藁を20kgに梱包した商品。
これで2,000円です。

こうして梱包されているので、
宅急便で送ることもできそうです。

藁を持って帰る車の中。
車の中隙間なく藁満載。
ボルボくん大活躍です。

・・・・・

しかしこうして
土壁用に藁を求めていると、
農と建築、いや、
生活のあらゆる要素は
昔昔は全てつながっていたのに、
今は分断されてしまったということを
まざまざと実感します。

現在、心地よい空間作りを動機として
木組みと土壁の家づくりを進めていますが、
この取り組みを続けていくことで、
生活を取り巻く様々な要素の
つながりが再編されていくことを
期待したいと思います。