田の字の木格子、敷瓦
玄関の
野太い井桁の木格子建具と、
深草砂利洗い出しに埋まる、
田の字の敷瓦。
なぜ「田」なのかは、
建て主の苗字に由来。
ちなみにもう一つ、
敷瓦の「田」があります。
それはまた後ほど。
玄関の
野太い井桁の木格子建具と、
深草砂利洗い出しに埋まる、
田の字の敷瓦。
なぜ「田」なのかは、
建て主の苗字に由来。
ちなみにもう一つ、
敷瓦の「田」があります。
それはまた後ほど。
昨年3月から始めた鎌倉く邸は、
それから約10ヵ月が経ち、
ようやく完成を迎えようとしています。
来月早々には引越し予定なので、
それに先立ち、建て主のご好意で、
見学会を催すことになりました。
遠方の方も含め、
約40名の方にご参加いただき、
ありがとうございます。
「伝統が表現する現代の空間」をじかに感じ、
また家づくりの過程のお話を
楽しんでいただけたのではないかと思います。
残念ながら、
若干未完の箇所がありましたが、
それらについては、
後ほどこのブログ上で
紹介したいと思います。
それでは皆さん、
今日多くの方々に
お越しいただいたこと、
お声かけいただいたお言葉を糧に、
明日からいっそう、
精進したいと思います。
ありがとうございました。
建物に使う金物について、
既製品を使うこともありますが、
納得のいくデザインのものがない場合は、
自分でデザインして、
鍛冶屋のBLOOMさんに、
作ってもらうことにしています。
この家でも
幾つかの金物を
作ってもらっています。
そのうちの一つ、
階段手すりの受金物が、
今日届きました。
鉄の錆の色が、
柿渋を塗った杉の色と調和し、
とても気に入っています。
こうしてみると、
日本の木のたてものには、
小さな鉄の世界が、よく合います。
小さいけど、
香辛料のように、
木と土の世界を、
引き立てます。
例えば、昔の家でいえば、
鉄瓶、囲炉裏の五徳などが、
そうですね。
小さいだけに、
いろいろ作れるし、
楽しい世界です。
建築の世界では、
設計者はよく、
「先生」と呼ばれるのですが、
職人が作る木のたてものは
誰が一番エライとかなく、
みんなで力を合わせて作るものだし、
私は大いに違和感があるので、
「先生」禁止。
しかし今日は、
一日だけ学校の「先生」でした。
と申しますのも本日、
ムスメが通う小学校5年生のクラスで、
授業2コマ分(計90分)のお時間をいただき、
「木の話、家の話」を
させていただくことになったのです。
森のこと、木のこと、家のこと、という順番に、
スライドを中心に、
継手仕口の模型や木の見本を交えて、
お話させていただきました。
予てより私は、
先人が気候風土に根づき
築き上げた知恵を絶ち、
クスリとケショウで
体裁を整えるという、
今の家づくりの文化の流れを
変えていきたい、と、
そのように思っているのですが、
そのためには、
地域に根づいて一つ一つ、
自分の信念にしたがって
家を作り続けるとともに、
伝えていく活動、つまり、
「知恵を伝え、未来をつくること」
についてお話しする機会、
とくに地域の子どもたちに向けて、
そのような機会を作りたいと
考えています。
そのような考えを、
昨年の夏以来発信し続けてきたところ、
学校の先生方、
また地元の大先輩方にご賛同いただき、
またムスメを始めとする家族の協力もあって、
今日初めて、その思いを実らすことができたのです。
なにしろ、
おおぜいの子どもたちを目の前にして
長い時間話すのは初めてのことだったので、
手探りで練った内容だったのですが、
子どもたちは、長い時間あくびもせず、
真剣な眼差しで話を聞いてくれて、
まずはホッとするとともに、
これからの活動に向けて、
手応えを感じることができました。
知恵の継承、
地域資源の見直し、
あるいは、
骨太な職人にあこがれる
若者が増えてくるなど、
こうした取り組みの成果が表れるには、
長い長い時間がかかるのかもしれませんが、
逆に戦後数十年の流れの中で
今の家づくりの文化の流れが
作られてきたわけですので、
今日のこの機会を皮切りに、
決してあせらず、地に足つけて、
これからも取り組んでいきたいと思います。
では、最後になりましたが、
この機会に向けてご協力いただいた皆さん、
ありがとうございました!
この場をお借りして、
お礼申し上げたいと思います。
追伸
学校の放課後の空気感が、
なんだかなつかしかったなー。