木の寿命の不思議
昨日、北軽井沢で見た、
築七〜八十年の別荘。
建物の中は、
屋根が傷み、
そこから雨風枯葉が入ってきて、
想像以上にだいぶ傷んでいましたが、
雨風に無防備にさらされているはずの、
外壁をなす板は、
建物の中で何ごともなかったように、
元気な様子でした。
しかも板の厚みは、
たった二分三厘。
雨に濡れても、
風を受けても、
常に新たな空気をたくさん吸い続ければ、
木は長く持つという、
木の寿命の不思議。
ここは、集合住宅の一室、
コンクリートの箱の中。
昨年末そこで、
「箱」の所有者である建て主の手で、
竹小舞をかき、泥を塗って、
壁を作りました。
今日は、その後の様子を見てきました。
泥が乾いた後の姿。
荒々しいけれども、
温かみと、
落ち着きを感じる土壁に仕上がりました。
欄間部分の竹小舞を透過する光が、
廊下の白い壁に投影。
格子状の影が、美しい。
住み心地のほどもお聞きしましたが、
冬場結露も発生せず、
土壁ならではの調湿効果を、
いかんなく発揮しているようで、
なかなか上々のようです。
竹小舞下地 荒壁土仕上げ。
コンクリートの箱の中でも、
やっぱり、いい!
昨日久々に、
たてものの模型を作りました。
いつもは、
藤沢駅前にある東急ハンズで
材料を調達していたのですが、
最近、残念ながら閉店。
ま、ルミネに世界堂があるからいいや、
と思っていたら、
4月下旬まで、改修工事中。
あらら。
電車に乗って、
町田か横浜まで行こうかと思いましたが、
もしかしたらホームセンターにあるかもしれない、
ということで、
小雨のパラつく中、
大船のホームセンターまで
自転車を走らせる。
すると、
ありました、ありました。
んー、しかし。
駅前は、映画館も一つなくなっちゃうし、
じょじょにじょじょに、
廃れていくなあ。
一方で今元気のある、
ホームセンターのように郊外にある、
「全てがそこにある」大きなお店は、
きらいじゃないけど、あの巨大さは、
人間の規格を大きく越えています。
歩いていると、
途方もなく遠く感じる、
真っ直ぐに延びた通路。
同じ距離歩くのでも、
駅前の雑踏のほうが、
きっと楽しいはずです。
昨日、自転車で走っていても、
同じようなことを感じました。
先日走った、鎌倉の細い路地の中。
昨日走った、
ホームセンター近く、巨大なマンションの横の、
広くて寂しげな直線道路。
やはり路地のほうが、
楽しい、と感じました。
生身の人間が気持ちよい、
楽しいと感じる距離感って、
あるのだと思います。
ただし、足が車だと、
見失う感覚。
ボクたち今を生きる人たちは、
マチの合理化、なのかもしれませんが、
去勢された、だたっ広いオリの中を選ぶ一方で、
雑多な迷路の楽しさ、
向こうに何があるのだろうという感覚、
そうした‘足’でしか感じ得ない感覚を
捨て去ろうとしています。
なかなかたどり着かない、
ずっと先に見える交差点をめざして
自転車をこぎながら、
何となく、寂しい感じがしました。
今日は自転車で、
昼過ぎから外出。
大工と会うため、
刻み場所の岩瀬へ。
ムスメのピアノの発表会のため、
本郷台(これは横浜市)に行った後、
北鎌倉を通り、
八幡様の前を通って、
二階堂のカジュアートスペースへ。
その後、
鎌倉駅の近くでラーメン食べて、
由比ガ浜の金物屋へ。
そして、
大仏前を通って
手広に戻り、
「く邸」の現場。
だいたい、鎌倉市域一周です。
今日はところどころで、
サクラの花がきれいでした。
自転車は、
風を切る心地よさとともに、
今日のように
華やかに咲くサクラのように、
心に留まる風景があれば、
立ち止まって眺められるし、
渋滞とは無縁だし、
狭い路地だって楽しめるし、
鎌倉の風を楽しむには、
自転車が一番!
古民家で、
山のてっぺんで、
畑の横の原っぱで、
子どもたちが
絵を描き工作し、
箱膳にて食事の作法を学び、
家族の記念日を祝う、
という企画に
家族と、友人一家と、
行ってきました。
場所は山梨。
ソトコトという雑誌と、
私が参画するNPO「えがおつなげて」の
企画によるものです。
朝は早く、
帰りは渋滞にはまり、
長時間の移動となりましたが、
大家族の遠足みたいなもので、
子どもたちはだいぶ、
楽しんだようです。
さて、どんな内容だったかは、
5/2に発売される雑誌を、
お楽しみに!
久しぶりに「照れる」という思いをしましたが、
家族と友人たちと、
いい思い出になりました。
そして、
食事と飲み物が、おいしかった。
やはり地のもの、時のものは、
身体にじっくりと沁みます。