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2006年9月14日

そうか、職人の血が流れていたのだ

カテゴリー: 今日のできごと


今朝、鎌倉の市街地にある金物屋に所用で足を運びました。
その金物屋は、私にとって初めての、しかもメーカーから教えてもらった偶然のお付き合いでした。

用を済ませた後、その金物屋のおかみさんとしばらく話をしました。
ひょんなことで、昔長谷で板金職人だった私のじいさんの話になったのですが、なんとそこのおかみさんは、私のじいさんのことをよく知っているようでした。

「そうかー、あの人は厳しい職人だったのよー」
「ほんとに職人気質の人でね、ああいう人が職人っていうのよー」
「組合のためにも、いろいろやってくれたのよー」

私はじいさんの仕事ぶりを知らず、じいさんをじいさんとしか見たことがなかったので、なんだか不思議な時間旅行に行った気分でした。

そして、
「あの人のお孫さん?顔似てるわー」

机の前に居るより工事現場。
工事現場に行くと感じる、設計者として何も手を出せないもどかしさ。

そうか、私にはやはり職人の血が流れていたようです。

私がこうして職人たちと対話しながら建築作りの仕事をする道を選んだことは、偶然のことではありますが、何か因縁めいたものを感じました。

それにしても、です。
故郷に根を下ろして動いていると、いろいろ面白いことがあるなあ。

2006年9月13日

珈琲が教えてくれたこと

カテゴリー: 今日のできごと


ごりごりごりごりごりごりごりごり

ざーーーーーざざっ

こぼ こぼこぼ こぼこぼこぼ
ぽた、ぽたぽた、ぽたぽたぽた
こぼこぼこぼこぼこぼこぼ
ぽたぽたぽたぽたぽたぽたぽた…

できた。

飲む。

うまい!

豆を挽きはじめると魔性の香りがあたりに立ち込め、美味さの予感に思わず顔がほころぶ。
挽いた豆を三角の紙の中へ。
豆を挽いていた間、沸かしていたお湯を、黒い谷の中に注ぎ込む。
はやる気持ちをおさえ、できるだけゆっくりとお湯を注ぐ。
ゆっくりと、ゆっくりと。
そう言い聞かせながら、やかんを傾ける。

そしてようやく手にした珈琲。
束の間の、ゆりかごの中に居るような時間。
周りの世界が全て豊かに見える―

実は手で珈琲を淹れるのは久しぶりで、最近は手間を惜しんでボトルコーヒーや缶コーヒーに頼る日々でした。
しかし昨日、久しぶりに手で淹れた珈琲を飲んで、何で私はこの玄奥な味とふくよかな時間を放棄していたのかと、深く深く反省した次第です。

去勢されたコーヒーと、こうも味わいが違うとは!
久しぶりだけに、余計にそう感じました。

手間は裏切りません。
改めて珈琲に教えてもらいました。

2006年9月12日

今年の不思議

カテゴリー: 今日のできごと

本日、二番目の子、玄の誕生日。
早く家に帰ることができるつもりでいたら、打ち合わせが長引きに長引き、家に帰宅したのが夜の10時半過ぎ。
もう、本日の小さな主役は夢の中でした。
残念!

どうも今年は、家族の誕生日となると忙しくなる、不思議な巡り合わせの年のようです。

2006年9月11日

泥の誘惑

カテゴリー: 横浜な邸


Nさんの家に、半年前に仕込んだ泥が塗られ始めました。
当初赤っぽかった泥は、藁と混ぜて十分に発酵することにより、深緑色に。
その泥を、縦横に編みこんだ竹の間に、押し込むように塗っていきます。

泥が竹の間から団子状にむにゅっと顔を出すことになるわけですが、それを見ると指先でつつきたくなる誘惑に駆られます。

2006年9月10日

9時間半

カテゴリー: えこびれっじ

9時間半。
本日のコーポラティブ住宅の総会に要した時間です。
皆さん、本当によくお付き合いくださいました。

しかもここ最近で、最も出席率の高い総会。
完成3〜4ヶ月前となり、大切な決議事項がたくさんあったからでしょうか。

長い濃い、充実した総会でした。
今後の私たちの生活を考えるうえで、示唆に富む話が多い議論でした。

とくに電気やエネルギーの話。
私たちがエネルギーを使うということは、何かを犠牲にして成り立っているということ、だから使うとするならば大事に使おうということ、そのことを身をもって知りました。

皆さんから教えられること、多いなあ。
仲間が多ければ、なおさらです。

2006年9月9日

木々に囲まれ楽器を奏でる

カテゴリー: 今日のできごと


「仕事」でお客さんと飯能の材木屋に行きました。
この材木屋は、我が家を作るときにたいへんお世話になった材木屋です。

「仕事」で来ました、しかし会話の8割以上は音楽の話。

そのワケは、材木が積まれた大きな小屋の中にある2台のピアノ。
ここの主のKさんが大のクラシック好きで、それが興じてここにピアノを持ち込み、ここで定期的に音楽会を催す予定、とのことです。

弾いてみました。
最近ご無沙汰なので指の‘ロレツ’が回っておりませんでしたが、発する音が実にいい!
自然に囲まれた環境もさることながら、四方に積まれている材木が計算し得ない音響効果を発揮しているのでしょう。
事実、ピアニストもそのように音響効果のすばらしさを仰っていたようです。

そこに積まれ、家となることを待つ材木たちも、多くの人の目に触れ音楽を聴き、きっと悦んでいるんだろうなー。
胎教みたいなもんです。

ますます、ここに来ることが楽しみになりました。

追伸
こうして本物のピアノを弾くと、我が家の電子ピアノじゃ物足りん!
電子ピアノも本物のピアノにタッチを似せていますが、それでも指の感覚が違います。

2006年9月8日

緑の幕

カテゴリー: 目黒か邸


引き続きKさんの家。

階段を上がる途中に、舞良戸付きの地窓があります。
外側には嵌めゴロシの硝子、
さらにその外側にはスギの縦格子。
Kさんの家の中で、自分が気に入っている空間の一つです。

この前行ったら、縦格子に緑の幕がかかっていました。
苦瓜です。

外からの視線を遮り、防犯面でも有効。
しかもこの暑い季節、風にたなびく緑は、私たちに涼しい感覚を与えます。

緑と手入れは身の回りを心地よくしてくれる、よい例です。

2006年9月7日

緑で覆うと世界は豊かに

カテゴリー: 目黒か邸


先週土曜日の朝、久しぶりにK邸を訪れました。
K邸も、冬を越え、春を越え、夏を越え、今に至っているわけですが、しばらく見ない間に、緑がとても豊かになっていました。
しかも、食べられる緑!
東京のど真ん中でも、決して広い敷地ではなくても、こうして緑を豊かにし、食べ物を育てることができるのだと、改めてKさんに気づかされました。

そしてやはり緑は美しい。
焼杉色ともよく合います。

そういえば昨晩、焼杉板で仕上げるコーポラティブハウスに住まう予定のKSさんが、電話口でしきりに建物を緑で覆いたいと仰っておりました。
ぜひそうしましょう!

2006年9月6日

竹小舞も八合目

カテゴリー: 横浜な邸


今週から左官屋の湯田さんのところの職人が4人入るようになり、竹小舞かきもだいぶ進んできました。
現在建物は、「竹籠」状態です。

夕方、作業用の照明を建物の中で点けていると、建物全体が竹であしらった巨大な照明器具のようです。

視線は遮るが風と光は通す細かい竹の格子、こうしてできるたび、この状態をどこか一部に残しておきたいと思ってしまいます。
建て主のNさんも、壁の一部を指差して冗談交じりにそのようなことを仰っておりました。

そうです、指を差した先は外の壁です。
しかし、古い民家を見てみると、竹小舞を一部残した小窓をたまに見受けます。
昔の人たちも、「やっぱりここは風と光を通すか」とか言って、せっかくだから竹小舞の部分を残したいと思ったのかな。
Nさん、本気でやってみます?

2006年9月5日

やはりボクは日本の酒に生きる

カテゴリー: 今日のできごと

実はここ数日、身体が重くて仕方ありませんでした。
原因は、数日前の現場交流会で飲んだ1本の缶ビール。
「有機」と書いてあったし美味そうだったので1本いただいてみたのですが、舌とノドは喜んだのも束の間、やっぱり身体は受け付けなかった…
ビールを飲んだ夜、全身に激痛が走ったのです。
痛さのあまり、寝ることもままなりません。
ビール(ただし自然麦酒以外)を飲むと昔から必ず出る反応で、以前は酒全般がダメなのかと思っていましたが、ここ数年ビール(ただし自然麦酒以外)が原因だと気づいたのです。
やはりボクは基本的に日本の酒に生きようと、心に決めた週の始めでした。