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2006年5月28日

Nさん、木に愛を注ぐ(7回目)

カテゴリー: 横浜な邸


今日の天気予報はとても怪しかったので、昨晩中に判断できず、今日の早朝に結論を持ち越しました。
で、どうしたかというと、朝もシトシト雨が降っていましたが、昼頃から晴れるという天気予報を信じて決行!
早朝Nさんに電話したら、ちょうどその頃Nさんの家の辺りでは強く降っていたらしく、「ほんとにやるの〜」という感じでしたが、「ほんとにやります」ということでやりました。
とはいえ昼過ぎまでいつ雨が落ちてもおかしくない雲行きだったので内心不安でしたが、オヤツの頃にはなんとお日様が照るくらいに。
さすが、ここのところの「晴れ男」ぶりを発揮しました。
実は地鎮祭の天気といい、基礎工事の天気といい、Nさんが晴れ男だったりして。

さて今日はとても賑やかな日でした。
遠くから、I・Iさん、S藤さん、K(Cかな?)さんが駆けつけてくれました。
ありがとうございます!
やっぱり人数が多いと、楽しいし、楽ですね。
「楽」という漢字、大好きです。

それと今日は子どもたちも参加!
端材で「おうち」を作ってました。
楽しかった?また来てね〜

2006年5月27日

吉岡木材さんの話


吉岡木材さんは、神奈川県厚木市にある材木屋です。
神奈川県産材を主に取り扱っています。
また材木の乾燥も、‘お日様’が頼りという昔ながらの素朴な乾燥方法です。
もちろん、‘クスリ’などは一切使わず、すくすくと木を商っています。

こうして、近くの山で採れた天然乾燥の木材を商う材木屋は、二昔くらいならばごく当たり前に存在していたのでしょうが、今ではたいへん珍しい存在となってしまいました。

そのような人と聞くと、頑固親父的な雰囲気を想像しますが、実際足を運んでみると分かりますけれども、一家で力を合わせて、楽しそうに仕事をしています。
日本の森林の事情は実はたいへんな状況なのですが、しかも去年は残念で悲しいできごとがあったのですが、それを乗り越え、悲壮感を感じさせることもなく、とても明るい雰囲気です。
だから、何度でも行きたくなるんでしょうね。
事実、焼杉作業のために、毎週のようにおじゃましております。
毎週行くのが、楽しみですらあります。

それと、やっぱり近いというのが何よりです。
やはり近ければ近いほど、家を建てようとしている人たちや私たちのような設計者とも密接な関係を築きやすいですし、また近ければ「明日お願い」とか、無理も言いやすいですしね(笑)。

お互い、これから、という年代なので、この先さらにお互い技術と品質に磨きをかけていき、神奈川の「木」と「家」をもっともっと、面白いものにしていきたいと思っています。

さあ、来週も焼き杉だ!

2006年5月26日

聚会

カテゴリー: 今日のできごと

今日は、NPO法人樹木・環境ネットワーク主催の「聚会」にて、日本の伝統構法についてお話させていただく場をいただきました。
この機会を与えてくださいましたH川さん、いろいろお気遣いありがとうございました、そしておつかれさまでした。

2006年5月25日

江ノ電と若葉

カテゴリー: 今日のできごと

鎌倉から藤沢まで、久しぶりに江ノ電に乗った。
子どもの頃は、長谷にあったじいさん・ばあさんの家に行くために浴びるように乗っていたが、大人になってからはすっかりご無沙汰で、最後にいつ乗ったのか思い出せないくらいだ。近くに越してきてからも、江ノ電で行くようなところも車で行っていたし、恐らく10年は乗っていない。
こうして車輌の写真を撮るなんて、それこそ小学生以来だ。

座席に座り、子どもの頃を思い出しながら、そして子どものように右に左に首をよじりながら、車窓からの風景を楽しんだ。
やっぱりい〜ね〜、江ノ電。
自分で動かす車と違って、ゆったりとした気分で、ゆらりと流れる風景を楽しむことができる。

江ノ電から見える風景といえば、江ノ電は七里ガ浜と腰越の間で海岸沿いを走る。
乗客は、海が見えると一斉に海のほうを見て、どの列車でも例外なく「わあ」という声が上がる。
子どもの頃、何となくそれがうれしくて、
「いいでしょ、鎌倉」と誇らしげに思ったものだ。


ところで今日は、実によいお天気だったということもあって、車内は修学旅行生でだいぶ賑わっていた。小学生特有の甲高い響きの喧騒の音を聞くと、余計に子どもの頃を思い出すというものだ。

皆さん、五月の鎌倉を満喫してください。
お天気でよかったですね。
大人になったらまた来てね。


おやつの時間の頃、家に着いた。
玄関の前で、Kさんから譲り受けた柚子の元気な若葉が午後の光に映える。
去年の春この柚子を譲り受け、秋以降たくさん実をつけたものの、‘お引越し’をして環境にまだなじまなかったこともあったのか、最近までは少し元気がなかった。(だからこそたくさん実をつけたのかもしれませんね)
しかし、日が長くなってきてだいぶ元気を取り戻してくれたようで、ここにきて一斉に若葉が開き始めた。
急に大きくなるもんだなあ。

2006年5月21日

Nさん、木に愛を注ぐ(6回目)

カテゴリー: 横浜な邸

本日6回目の柿渋作業。
とてもよいお天気の下。桁廻りを約30本塗る。

今日はS渡さんが取材というか、お手伝いに来てくれました。
なんでも間違って私の家に向かっていたそうで、バスの中でたまたま自転車で作業場に向かう私の姿を発見し、慌てて行き場を確認。
結局、鎌倉市の端から端までおよそ2時間彷徨い、ようやく昼前に目的地にたどり着きました。
本当は取材が目的で、しかも「長旅」の後だったけど、容赦なく(笑)刷毛を握っていただき、結局4本、楽しそうに塗っていきました。
たいへんおつかれさまでございました。

S渡さんの楽しそうなその姿は私たちにも伝播し、いつもより楽しくしゃべりながら作業しました。

2006年5月20日

杉の丸太の活用法

カテゴリー: えこびれっじ

今日は天気予報がうれしいほうに外れ、見事な青空が広がる。
五月晴れの眩い光と、部屋の中を流れる爽やかな風が実に気持ちよい。

さて、今日は去年引き渡したコーポラティブハウスの一年点検。
お住まいの皆さん、ご協力ありがとうございました。
おかげで予定よりもだいぶ早く終わることができました。
一年という年月の中で、だいぶ空間が生活に馴染んでましたね。
やはり住まいの空間は、そこで人間のナマの生活があってこそです。

それぞれのお住まいの玄関の外には、自分たちのお気に入りの草花を飾っていて、見事な空間を演出していました。
そして草花の台になっている杉の木は、実は今進めているコーポラティブハウスの敷地の‘形見’です。
皆さん、とても上手に使っていただいておりました。
鶴川の皆さん、参考になりますね。

2006年5月19日

ササゴ建設 山田さんの話


きらくなたてものやが基礎工事をお願いしている方です。

きらくなたてものやでは、伝統構法の荷重が相対的に重いということもありますが、設計において基礎の仕様というものを重要視しています。
木造の場合、軸組がしっかりとしている限り、本体部分は将来の家族構成や生活様式の変化に応じて将来手を加えていくことができますが、基礎はそうはいきません。不可変なものとして、‘永久’を願います。
だからしっかりと作るのです。

さて山田さんについてですが、以前大工の藤間さんが関わっている工事現場で山田さんが作った基礎を見て、直感的に「この人にお願いしよう」と思いました。
それくらいきりりとした、それでいて肌の美しい基礎を打っていました。
その後piscariaの基礎を作っていただきましたが、その直感には間違いがありませんでした。
現場での当方の指示やお願いも、こちらの意を十分に汲んで、迅速に対応してくださいます。

ところで山田さんは、土建業とともに、横須賀の自宅近くで本格的に畑仕事をしています。
そんなわけなので、最近ではお会いするたびに美味しい白菜やキャベツなどをいただきました。

美しい基礎と美味しいキャベツ、実は相関関係があるのではないかと思う今日この頃です。

2006年5月18日

雨の中鎌倉と横須賀をひたすら歩く

カテゴリー: 今日のできごと

朝、鎌倉市役所の近くに用事があった。
自転車で行くつもりだったが、あいにくの雨なので、約4㎞強の道のりを歩いて行ってみることにする。
しかし朝の事務作業に思いのほか時間がかかり、家を出る頃は約束の約40分前だったので、道程の1/3は傘をさしながら走った。
約束の地に着く頃は身体中汗だく。

さてその用事というのは、以前お世話になった方に誘われて、市民向けのまちづくりの講座に出席することであった。
名づけて、「いろは講座」。
まちづくりや景観問題って、情緒的に議論されることが多いけど、それらの背後には行政が制定した様々な法律や制度等があるわけで、それらの基礎を広く市民が学習することにより、まちづくりの議論をより現実味を帯びたものにしよう、という主旨で開催された。
とてもよい取り組みだと思う。

終了後、お昼ごはんをいただく場所を物色しに、小町通りへ。
雨だというのに、修学旅行生や観光客でたいへん賑わう。
とくに駅前の某ファストフード店に修学旅行生がごった返していた。
たしかに鎌倉にはこれといった郷土料理はないが、しかし何も修学旅行に来てまで食べんでもええのに、とつぶやく。
やはり子どもたちにとって憧れの食なのか、それとも、いつも食べている安心感からなのか。
友だち同士うれしそうに食べているから、ま、いいか。

人混みと傘の間を縫うように、小町通りの奥まで歩いていたら、とても楽しい店を発見した。
職人の手仕事の日用雑貨品をとり揃える店で、屋号は「江戸職」という。
たわしだの、歯ブラシだの、櫛だの、手ぬぐいだのいろいろあって、買う当てもないにいろいろ手にとって眺めた。
陳列する品物の中に、小さい箒を発見した。
形も魅かれるものがあったので、仕事机周りの掃除用にと思って買った。
店のダンナに聞くと、埼玉県三芳の職人さんが作ったものだそうだ。
家に持ち帰った後、「ホコリ、ホコリ」と掃除すべき場所を見つけては早速使い心地を試してみる。(そう、私はうれしがりなのである。)
箒と床の擦れる音が何とも心地よい。

小町通沿いにある天ぷら屋で昼ごはんをいただいた後、所用で横須賀駅に向かう。
JR横須賀駅で降りたのは、割と近くに住んでいるというのに、実は初めての経験だ。
いやあ、ここはまさしく海軍のまちですね。
駅を降りて南側に見えるショッピングモールも、まるで軍艦のようだ。

横須賀駅からまたまた3㎞強歩いて目的地に到着し、速やかに用事を済まして東京に。
というわけで、今日は傘をさしつつ、歩いた、歩いた。
延べ2時間、10㎞近くは歩いただろうか。

こうして雨の中、長い道のりを歩いて改めて気づいたことがある。
それは、麻のズボンの気持ちよさ。
湿ったお天気の中たくさん汗をかいたけど、Gパンなどと違ってジトッとした感じが残らない。どちらかというと厚手の布のズボンだったが、湿気を帯びたとしてもサッと湿気が引いてしまう。
麻は優れた調湿機能を持っているのだ、ということがよく分かった。

以上、本日は徒然なるままに。

2006年5月16日

職人紹介特集予告

葉山芸術祭では、piscariaの工事に関わっていただいた職人たちをパネルにて紹介させていただきました。

住まいづくりは、建て主、職人、設計者が全て主役の協働作業です。
それぞれがいい関係を築くことによって、それぞれがいい仕事をすることによって、よい住まいづくりができるのだと考えます。
日本の伝統的な構法で住まいを作るならば、なおさらのことです。
いや、日本の伝統的な構法で住まいを作るうえでの、前提かもしれません。

葉山芸術祭では、そのことをお伝えしたいと思いました。
そして今居る空間とともに、その場で働いていた職人さんの息づかいを、少しでも感じてもらえれば、と思いました。

葉山芸術祭にて紹介させていただいた職人たちは、おそらく今後も共に住まいづくりを行う仲間となっていくことになろうかと思いますので、この場でも、出展内容を編集しながら一人一人紹介していきたいと思います。

2006年5月14日

気ままに話し合うということ

カテゴリー: えこびれっじ

今日はコーポラティブハウスの総会の日。
今日も朝10時から夕方6時まで、びっしりと議論。
住民の皆さん、毎回毎回長い時間ありがとうございます。

これまでは総会で皆さんの意見を集約していく方法として、アンケートやKG法といった手法に頼ることが多かったが、最近の総会では、どちらかというと自由に意見を述べてもらうという時間が増えている。

これはコミュニティの形成過程において、成熟期に入っているということの証だ。
とくに29世帯という大人数の議論では、お互い本当の意味で顔の見える関係でなければ、自由な意見交換というのはなかなか成立しづらいといえる。

そして、皆さんが一同に会して自由な意見を述べる時間を持ち、生の声で皆の意見を聞くことによって、感覚として皆の考えを感じ取ることができるし、自分の考えの整理にもつながっていく。
たとえ自分が意見を述べる機会がないとしても、他人が話している間、その間お互いに共感したり、あるいは自分だったらどのような考えか、頭の中で深めていくことができる。急に私にあてられるような状況だったらなおさらだ(笑)。
つまりこうした自由な議論の場が、さらに相互の理解を深めていくのである。

実は私としては、自由な意見交換の場というのはとても神経を使い、テキストやアンケートなどに頼ったほうがよっぽど楽なのだが(笑)、しかし皆が自由に話す場というのはコーポラティブ方式の醍醐味の一つである。
こうした場を積極的に設けていきたい。