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2005年11月2日

いちょうがささる

カテゴリー: 目黒か邸


厨房の工事の様子。
木ずりをうった壁には、土佐漆喰の磨きが。
左官仕上だけど雑巾がけが可能。

左には、いちょうの天板がささる。
天板全体がまな板。

石が貼られる

カテゴリー: 目黒か邸


浴室の腰壁の石貼が今日から開始。
だんご貼で一つ一つ丁寧に積み上げていく。

タイル屋さん、午後7時頃になってもまだ作業していたが、遅くまでおつかれさんです。

足場外れる

カテゴリー: 目黒か邸


外壁や樋などの工事が完了し、今日足場が外れた。
やはり現場の印象が全然違う。
すっきり、さっぱり、散髪をした感じ。

小屋組の表情

カテゴリー: 目黒か邸


小屋組は、組み方が変わると表情も変わる。
つなぎの梁が入ると、やはり安定感がある。

2005年11月1日

第二の生を待つ木たち

カテゴリー: えこびれっじ


伐採後、使えそうな木を3m程度に玉伐りし、とりあえず敷地の片隅(蔵の裏あたり)に置く。
けっこうたくさんあるので、この中から選んで家具や小物を使う材として30本程度建物が完成するまで敷地に保存する。
住民たちが事前に印をつけておいたものを基本にここにとっているが、建設会社の好意でそれ以外もここにあるようだ。
私は直径20㎝程度のサワラに目をつけ、よけてもらうことにした。

現地を見学している間、直径7〜8cm程度の切り株が、びっしょりと濡れているのを見つけた。
生木だから伐りたてはしっとりとして当然かもしれないが、それにしても水をかけたように濡れていた。
まるで涙を流しているようだった。

ついに伐採が始まる

カテゴリー: えこびれっじ


鶴川の現地にて。
北側の大きなヤマザクラのあたりから南側を望む。
昨日伐採に着手したようだ。
もうすでに南西側の見晴らしがよくなっている。
早い。

石川さんが現場の人に言っていたようだ。
「育つのは○十年、○百年だけど、伐るのは一日だなあ」と。

また何十年かけて「杜」になることを願う。
奇しくもこの晩は、「みどりと環境部会」の日だった。

なお、右端に写っているプレハブの建物が現場事務所。

2005年10月31日

隠れない

カテゴリー: 目黒か邸


伝統構法で隠れない場所といえば、小屋(屋根の構造体)の部分もそのようなことが多い。
そのほうが空気環境が気持ちよいし、また構造体そのものが意匠上美しいので、そもそも隠すのがもったいない。
構造体がしっかりと見える安心感もあるのではないだろうか。
あるいは天井を貼るにしても、いつも厚板を貼るのでロフトにしてしまえばいい。

なお、写真の下のほうに見える突起物は伝統構法ならでは。
渡りアゴといわれるもの。
渡りアゴもうまくデザインすれば、おもしろい。

はみだしたけ

カテゴリー: 目黒か邸


後から内法の材を入れたので、小舞竹がはみ出している。
もちろん後から中塗りでふさぐことになっているが、
これはこれで野性的な雰囲気でよかったりして。

そういえば、よく左官屋さんにいくと、見本として竹小舞下地から仕上げまでの工程が分かるように竹小舞から少しずつずらして塗り重ねていくサンプルがあるが、それに少しだけ似ている。
あのような中のしくみが分かる図やサンプルって昔から好きだ。
きっと好奇心をそそるものであるということと、中がどうなっているかが分かる安心感なのであろう。

伝統構法の場合、構造体も含めて隠れるところが極めて少ない。
職人の技が問われる理由でもあるし、また建物側が作り手の姿勢に影響を及ぼすことは間違いない。
作っている間、自分の身の回りの材を傷つけないように、十分に気を使う必要があるからだ。
とくに、電気屋や設備屋などのたまに入る業者にとっては、とてもやりにくいかもしれない。
しかしそうした緊張感の連続が、よい家に結びつくと信じている。

2005年10月30日

一日1%の自己陶酔


ここ3ヶ月以上ご無沙汰していたが、ここ数日間、一日15分程度鍵盤と戯れている。15分といえば、一日の約1/100。
鍵盤と戯れる時間を作れているかどうかで生活のゆとりの度合いを測ることができるが、今ようやく落ち着いてきたということであろうか。
いやむしろ、一日中ずうと張りつめているよりは、1%でも十分気晴らしになるので仕事の生産性はよかったりして。
テンパっているとなかなかそのことに気づかないが、実際少しでも弾いてみるとそんな気がする。

弾く曲といえば、昔から馴染んだ曲+10年来陶酔しているBEN FOLDS FIVEのPHILOSOPHYをダカダカダダンと数曲。
もともと器用な生き様ではなく、新たな曲を弾くには膨大なエネルギーを要するので、とりあえずはそれで十分満足。
その勢いでKORGからDELLのキーボードに乗り換えておしまい。

2005年10月29日

秋の海の闇

カテゴリー: ピスカリア

今日は夕方まで自宅で作業の後、I邸に出かける。
大工の後藤さんやIさんと打ち合わせ。

訪れた習慣で、一人海に足を運ぶ。
午後7時半頃だっただろうか。
世間は夕餉を楽しんでいる時間帯。
しかし秋の夜の海は、予想以上に深い闇の中だった。

波の音が闇の中で迫るように強く響く。
波の音にかき消されるためか、他に何も聞こえない。

足元は砂浜なので、思うように歩が進まない。

向こうでは、灯台がせわしなくくるくると光って回っている。
闇の中で暴れているようにも見える。

秋の夜の海は、恐怖さえ感じる空間だ。

打ち合わせが終わりかけた頃、隣のHgさんが現場に来てくれた。
現場に入ると開口一番、「あたたかいですね」。
まだ吹きさらしに近い状態なのに。

白熱球が照らす赤い色がそう感じさせてくれるのか。
それとも、乾き始めた土壁の保温効果なのか。

言われてみれば、肌寒くなってきた外に比べれば、ほんのり心地よくあたたかい感じがした。

海の様といい、「あたたかい」という言葉といい、間違いなく季節が移ろいでいる。
もうさすがに葉山にも夏の残像はない。
少し寂しい気がした。