木ずりで包まれる
茅ヶ崎は邸にて。
現在2階の間仕切り壁は、
下地となる木ずりの状態。
そこにいると、
木ずりで包まれたような
感じです。
風が通るし、
このままでも
いいんですけどね、
向こうが透けて見えるので、
土を塗ることにします(笑)。
もちろん、
土で仕上げた状態も
楽しみです。
だけど木ずり仕上げというものを
またどこかでやってみたいものです。
きらくなたてものやの仕事では、
床や壁に、
群馬藤岡の五十嵐さんにより
達磨窯で焼かれた敷瓦が
時折登場します。
例えば薪ストーブ廻りの
耐火材料として、
例えば玄関の土間として、
例えば水が撥ねる場所の壁に、
敷瓦を使います。
そして今回茅ヶ崎は邸では、
通り土間風の玄関土間に、
家族の人数と同じ数の敷瓦を
埋め込むことにしました。
正方形の敷瓦の大きさには、
15cm角、20cm角、30cm角と
幾つか種類があるのですが、
その大きさによって
空間に与える印象が違います。
15cm角と20cm角を比較しても、
一辺が5cm違うだけで
そうですからね。
それもそのはず、
15×15=225、
20×20=400で、
面積は約1.8倍異なります。
それと似たような話が、
柱の大きさ。
ちょっと前在来工法で多かった3.5寸角と、
私たちがよく使う4寸角では、
一辺が5分(=約1.5cm)しか違わないのに、
断面積は約1.3倍、
あるいはたまに5寸角を使うのですが、
4寸角と比較すると、
1.5倍以上も断面積が大きくなります。
そんな二乗の威力を思いながら、
土間に敷瓦を並べてどう配置するか考える、
ある日の夕暮れのひとときでした。
二宮し邸では、
筋交いの設置が
ほぼ終わりました。
えっ、きらくなたてものやが筋交い?
とお思いかもしれませんが(笑)、
今回この家の壁は、
当初、荒壁土仕上げ、
となると土壁の厚みが
55㎜以下になるので、
壁倍率が0.5倍と、
非常に小さな数値となるため、
耐震強度を満たすために、
筋交いの力を借りる必要があります。
なお最初からしっくい等で壁を仕上げる場合、
壁の厚みは70㎜を超えるので、壁倍率は1.5倍、
つまり現状の3倍となります。
ということは将来、
中塗り、仕上げ塗り、と塗り足せば、
法規上は相当強い家になるということですね。
ちょっと不思議な気もします。
先週上棟した小田原お邸は、
少し前に上棟した二宮し邸を追いかけるように
現在野地板貼りが進んでいます。
平屋で約50坪あるのに、
大工さん一人で
黙々と貼り進めています。
凄い!の一言。
考えてみれば、
この家の刻みも、
墨付から加工まで、
ほぼ全て一人で
手がけていました。
しかも実質約3ヵ月で!
大工としての要領が
いいんでしょうね。
お聞きしたら、
代々大工の家系のようです。
ところで現在、
ほぼ同時進行で、
小田原と二宮で
現場が進んでいます。
また鎌倉から見て
そこから手前の茅ヶ崎でも
現場が進行中。
いずれも鎌倉から西の方角に
現場が固まっているため、
一日で3ヵ所同時に回れるのが
すばらしい!
たまたまですが、
ありがたいことです。
玄関にある
尺角のケヤキの柱と、
その上に載る
ヒノキの木組み。
その合間から見える春の空が
何とも言えず、
美しかったです。
すぐに野地板が
貼られてしまいますが、
しばらくこのままの状態を、
楽しみたい、とも思います。
神奈川県産材を扱う
吉岡木材さんとの共同事業で
小田原お邸の家づくりを
進めていますが、
今日春の空の下、
無事上棟しました。
作業途中の様子。
土台の間に納まる捨て板を
仮に貼ったので、
作業がしやすそうでした。
そしてこの家は平屋なのですが、
間口がとにかく大きい!
いろはに…から続いて、
「む」通りまであります。
その間口で垂木が並んだ時は、
壮観でした。
木組みの間から見える空は、
少し霞んだ青色。
それは紛れもなく、
春の空でした。
事実日中は、
見ているだけでも、
あたたかく感じました。
谷木。
今回軒の出が4.5尺あるので、
谷木はその約1.4倍の6.3尺
飛び出ていることになります。
夕暮れ前までに、
垂木までいきました。
どこまでも続く
垂木のリズムが
心地よかったです。