洗面台の骨格
ヒノキによる
洗面台の骨格が
できあがりました。
これに洗面ボウルが入り、
棚板が入り、
鏡が入って、
できあがりとなります。
今日大工は、
階段の手摺を付けたり、
残りの板を貼ったり、
補修したりと、
細々とした作業で
現場の中を
夜遅くまで奔走、
そしてついに仕事が
一通り終わり、
今日で現場を
離れることとなりました。
まだ若干、
他の工事が残っていますが、
明日いよいよ引き渡し。
充実感と寂しさが
交錯する時です。
家の中に入ると、
一番目立つところに
手のひらを広げた程度の太さの
クリの柱が立っています。
それ以外の柱・梁は、
2本の例外を除き、
ほとんどが柿渋を塗ったスギ。
クリは縄文文化が花咲いていた頃、
落葉広葉樹林で覆われた日本で、
建築用材として最も使われた木、
そして時代が遡り、
農耕文化が始まると、
建築用材の主流はスギへ。
実は例外のうち、
1本はクリの梁なのですが、
この家の木組みは、
縄文のクリと、
弥生以降のスギという、
時代を超えた‘日本代表’の
木によるものです。
ところで、
こうして太古の昔に
思いを馳せてみたものの、
当時はノコギリもなければ、
カンナもない。
基本的には石を道具に
建築を作っていたわけで、
その労力は、
想像を絶するものだったと
推測されます。
だからこそ
一本一本を大事に
使ったのでしょうね。
時代で比較すると、
こうした感謝の気持ちに
気づいたりもします。
昼間の葉山と邸に引き続き、
光の当たり加減で生まれる
格子の表情が面白いのは、
日が暮れてからも同様です。
手広た邸にて、
玄関頭上の井桁に組まれた格子が
闇の中で現場の灯りに照らされ、
妖しい影を映し出していました。