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2011年1月14日

今日の木の建築塾〜設計者と建具職人の協働〜

カテゴリー: 今日のできごと

今晩は、今年度最終回の木の建築塾
設計者松本さんと建具職人新井さんにより、
「設計者と建具職人の協働」をテーマに
お話をいただきました。

呼吸し微妙に動く木と
常に鋭い視線で対話しながら
建具を作り上げる新井さんの話は、
まるで哲学者のようでした。

そして
建具職人新井さんは、
実は私も、
自身が手掛ける家づくりの9割がた
木建具をお願いしている方です。

今日のお話の中で
私は講師ではないにもかかわらず、
ありがたいことに私の作例
紹介していただきました。

新井さんは協働の過程で、
図面から設計者たる私の意図を
最大限に汲み取り、

場合によっては
より質の高いものとするために、
積極的に提案を持ち込んでくださる姿勢に
たいへん感謝しております。

協働、とはいいながら、
新井さんとの対話を通じて
こちらが育てていただいているような
気がします。

それは新井さんに限らず、
今お付き合いのある
全ての職人さんに
言えることなのですけどね。

ということで、
美しい快適な木の建築を
産み出していくために、
今年度の木の建築塾の
共通テーマである
「設計者と職人の協働」を
木の建築における
当たり前の作法として、

この場限りにするのではなく、
今後も何かしらの形で
木の建築塾のスタッフの一員として
お伝えし続けていきたいと思います。

2011年1月12日

mと尺

カテゴリー: 今日のできごと

数年前設計を進めていた仕事が
諸事情で一時中断していたのですが、
昨年末ありがたいことに復活し、
この春工事を始める予定となりました。

計画自体はほとんど変わらないのですが、
昔書いた図面を見返してみると、
柱の間は、
尺寸(3尺=909)で割りつけている一方、
柱等の部材寸法は、
例えば4寸が120、1寸3分が40と、
メートル単位の近似値で書いていました。

当時はそのようなルールで
図面を書いていたのです。

しかしいつの頃からか、
部材寸法も尺寸で書くようになり、
今となっては
頭と身体にその寸法感覚が
沁みついているので、
mと尺が混在する図面を見ると、
何かモゾモゾする感覚を覚えます。

見慣れれば大丈夫かな、
と思ったのですが、
いつまでもモゾモゾするので、
面倒ですが意を決して
図面を書き直すことにしました。

といってもCAD上では、
寸法がメートル単位で表記されますし、
またメートル単位で
行政手続きをしなければならないので、
4寸は121.2、1.3寸は39.39と、
全て30.3(=1寸)で割り切れるように
表記します。

余計面倒くさそう…、
と思いがちですが、

柱の間と部材寸法のルールが
統一されることにより、
部材を並べる際の
割算がしやすくなります。

あるいは、
寸法の検算が
しやすくなります。

例えば、
列柱を割り付けた結果、
どこかに608という数字が
出てきたとします。

しかしこの数字は、
尺=303で割り切れません。

ということは
どこかで2ずれている、
あるいは不均一なリズムが
構成されている、
と推測することが可能となります。

木組みが露わとなる
木造建築を美しく見せるために、
木組みのリズムをどう刻むか、
といったことが
いつも念頭にありますが、

それを考えるうえでは、
こうして間と部材の寸法体系が
統一されているほうが
何かと調子がいいのです。

何よりも尺寸法体系は、
身体を基準としたものだから、
慣れると使いやすいです。

手首から肘までの長さが、尺、
両手を広げた長さが、間=6尺
親指と人差し指を広げた長さが、
5寸(これは私の場合)
ですからね。

実際現場で
簡単にモノを測るとき、
たまに使ったりもします。

それともう一つ、
余談めいた話ですが、
1寸(=30.3)で割り切れる
メートル法上の表記は、
121.2だったり39.39だったり、
1818だったり15.15だったり、
数字の配列の
小気味いい場合が多いのです。

部材寸法を
例えば39.39の近似値40とかにすると、
その数字の配列の小気味よさが
必ず破綻します。

モゾモゾ感を感じるのは、
そのためでしょうか。

皆さん、
そんな目で図面の寸法を眺めていただくと、
別の楽しさがあるかもしれません。

2011年1月10日

倍生きて思う

カテゴリー: 今日のできごと

今日は成人式ですね。

今ふと思ったのですが、
私にとっては、
二倍成人式です。

あれからもう、
倍生きたのか。

あのとき生まれた子どもたちが
もう成人かー。

しかしそんな感慨に耽るほど、
当時は地元を離れていたこともあって
成人式には参加せず、
京都のまちなかで
振袖姿の女の子たちを横目に
平服でフツウに飲んでました(笑)

自分は既に
成人式の約半年前にハタチになって
当時の仲間たちに祝ってもらったし、

そもそも形式的な儀式に対して
少し嫌悪感のようなものを
その時の私は感じていました。

だけど倍生きると、
考え方も変わってきます。

確かに人間の節目は、
自分自身が心の中に
しっかりと納めておけば
それで十分なのですが、

周りの人たち、
とりわけ育ててくれた家族や
親しい友人たちにとってみれば、
それを形で表すことも
大切なことなのだと、
今ではそう思います。

今の成人式の型が
それでいいかどうかは
ここでは置いといて、

手塩にかけて育てた
親御さんにとってみれば、
子どもの成人の晴れ姿、
やっぱりうれしいでしょうしね。

儀式は自分のためだけではなく、
自分を取り巻く方々に感謝し、
自分を取り巻く世界に決意表明する場
でもあるということで、

これからも
生活や建築の際にやって来る
様々な儀式を大切に
していきたいと思います。

自分も成人年齢の倍生きて、
少し大人になったのかな(笑)

2011年1月8日

2011新年会

カテゴリー: 今日のできごと

新年恒例、
きらくなたてものやの新年会を
ピスカリアで行いました。

参加者は、
建主OB、現在進行中の建主さん、
将来建てる予定の建主さん、
そして大工と材木屋。

忘年会が、作り手同士、
横軸の交流を深めるために
開催するのに対し、

新年会ではこうして
歴代の住まい手同士といった縦軸も
つないでいければと思い、
毎年行っています。

夜の6時半過ぎに始めて、
締めたのは9時半過ぎ。

ピスカリアの
美味しい食事を目の前に、
家づくりのことや
‘きらくなたてものや’をネタに
話に花が咲き、
あっという間の
充実した楽しい3時間でした。

この流れで皆様今年一年、
よろしくお願いいたします。

2011年1月6日

冬休み、食卓周りは高密度

カテゴリー: 今日のできごと

今日から仕事再開。

朝続々と事務所に人が集まり、
お正月気分から一転、
いつもの空気が流れ始めました。

正月は十分に
ゆっくりできたので、
この仕事モードの時間が
待ち遠しいとすら
思いました。

一方、子どもたちは、
まだ学校が休み。

事務所の昼休みは
大人4名、子ども2名、

家族や親戚が集まった
正月の日々に引き続き、
今日も食卓の周りは
賑やかとなりました。

2011年1月4日

久しぶりの我が家にて思う

カテゴリー: 今日のできごと

大晦日鎌倉を発った後、
お正月は妻の実家の滋賀県で過ごし、
今日自宅に戻ってきました。

丸4日間
すっかり家を空けた後の
室内の温度計を見ると
12℃でした。

気候の差はあれ、
いわゆる現代的な工法の家で
夜暖房を止めて迎えた朝よりも
あたたかく感じます。
(実際、手元の温度計では8〜9℃でした)

我が家のような
断熱材を入れない
木と土壁の家は、

家全体の熱貫流率が
現代工法の家よりも
数倍から10倍近く高く、

つまり熱が逃げやすいので
一般論では冬寒い、
と言われています。

だからそのような家は、
作る過程で現代工法の家より
どんなに環境負荷が低くても
環境性能面での点数が低く、
エコポイントの対象外です。

しかし、
もし熱貫流率の数値が
住宅の温熱環境に
直接反映されるのならば、
丸4日空けた家の中は、
ただでさえ気密性の低い我が家、
熱が外に逃げるところまで逃げて、
外気温に近い温度まで下がっても
おかしくはないはずです。

確かに夜、
家を今まで通りにあたためるには、
少々時間がかかりました。

また普段家に居るときも、
あまり20℃以上にはならず、
また我が家の場合、
木でできた窓の間から
隙間風が流れてくるので、
Tシャツで過ごせるほど
あたたかいとは
いえないかもしれません。

しかし今晩の
12℃という温度は、
熱貫流率という指標だけで
住宅の性能を評価することに
限界がありはしないかと
問題提起を投げかけてくれているような
気がしてなりません。

私たちはこうした現象を
発信する一方で、

木と土壁の家が
もう少しだけでも
日の目を見る日が来るように、

この分野に関する
今後の理論的な研究に
期待したいと思います。

2011年1月2日

正月といえば

カテゴリー: 今日のできごと

正月といえば、
おせち料理、
そしてお雑煮。

妻の実家の
滋賀県でお正月を迎えたので、
関西ならではの
白味噌仕立てのお雑煮を
いただきました。

私はお吸ましのお雑煮より、
こちらのお雑煮のほうが
あたたまる感じがして好きだなー。

そしてジェットくんは、
お正月バージョンの
めでたいごはん!

いつものごはんの真ん中に
赤い実が載っけられ、

いつもよりちょっとだけ
うれしそうな(?)
ジェットくんでした。

2011年1月1日

今年の初詣

カテゴリー: 今日のできごと

今年の初詣は、
近江の国 日吉大社。

山王鳥居といわれる鳥居と
石垣が印象的な神社です。

また山王鳥居の脇にある六角堂も、
たいへん興味を引きました。

さて日吉大社は、
平安京の表鬼門に
位置することから、
魔除け、厄除け等に
ご利益のある神社です。

そういえば今年私は、
本厄の年のようです。

恥ずかしながら
数え年のことをよく理解しておらず、
厄年は来年だとばかり思っていて、
境内の一角にある表を見て
初めて知りました。

知らぬが仏、
だったかもしれませんが、
私は知ることができて
よかったです。

どちらかというと
思い立ったら行動、
という性分なだけに、
今年は注意深く、
とくにケガに泣いた半生ですので、
注意して日々を過ごしたいと思います。

いずれにしても、
ここへ参ったのは
面白い形の鳥居が
動機だったりしたのですが、
それが厄年の今年というのも
何かのご縁です。

なお今日は、
あたり一面雪景色。

大晦日に降った雪が
まだたくさん残っていました。

もちろん空気は、
凛として冷たく、
こんな日は
焚き火のありがたみを
身に沁みて感じます。

境内で販売していた
あたたかい甘酒も最高でした。

その日の朝鎌倉を出るときは、
コートが要らないほど
あたたかな陽気だったんですけどね。
日本は広いです。

しかし雪の中の初詣も、
鎌倉にいれば
滅多に経験できないことだし、
それに日本の冬の典型
という感じがしてよかったです。

2010年12月30日

材料費0

カテゴリー: 今日のできごと

居間の一角を整理するため、
棚を作ることにしました。

材料は、
10年前建てた
自宅の木材の残り。

そして最近取り付けた
子ども部屋の格子の残り。

余った材を残しておくと、
自分でもいつ使うんだろうか、
と思ってしまうのですが(笑)、

こうして何年越しでも
ばちっとはまると、
このうえない喜びがあります。

倉庫と時間があれば、
何ぼでも残った材料
ほしいんですけどね。

残った材料ということは、
長さや幅に制約があるのですが、
それだけにそれらを
うまく使おうと考えることが
とても楽しかったりします。

2010年12月29日

年の瀬が好き!?

カテゴリー: 今日のできごと

今日から家の中は、
すっかり年末模様。

朝から家族皆がいて、
私は午前中少し、
仕事の打ち合わせ等がありましたが、
それを除いてはみんな、
家の中の大掃除。

家の中は、
ドタバタドタバタ
していましたが、

さみしがり屋のジェットは
今日のような賑やかな日は、
とてもうれしかったに
違いありません。

その証拠に、
いつも昼間は、
ずーっと昼寝ですが、
今日はうろうろうろうろ
誰かの後ろを付いて
歩き回っていました。

ところでジェットくん、
掃除機をかけると
相変わらず掃除機に
敵意むき出しです。

これじゃ掃除が
進まんやないの(笑)。