催眠術の持主
昨日は、
泥と戯れる一日。
こういう肉体労働があると、
ずっと机に向って
図面描いているよりも
メリハリができるし、
肌で素材を知る
よい機会ともいえるので、
けっこう楽しみだったりします。
泥を運ぶ私の顔に
それがよく表れていますかね?
それにしても、泥運びは、
身体にずっしりと応えます。
おかげでよく眠れます。
というか、眠い…
数日前、仲間からいただいた情報。
先日E-ディフェンスにて、
今度は木造3階建て住宅の
実大実験が行われました。
実験台は2つ。
一つは、現基準による
より‘ガチガチ’の建物。
もう一つは、古い基準による
小さな金物の建物。
どちらが現基準の
‘強い’建物だと思いますか?
恐らく皆さんが思っているのと
逆の結果になってしまったのです。
実験は、結果が出やすいように、
建築基準法で求めている耐震基準の
1.8倍の大きさの
「想定外」ともいえる地震力を
与えたようなのですが、
研究者たちにとっても結果は、
「想定外」だったのではないでしょうか。
ガチガチに固めれば、
想定以上の力が加われば、
むしろ脆いという、
よい例といえるでしょう。
一方‘ガチガチ’ではない
私たちが取り組んでいる伝統的構法は、
ここ数年の研究者の言葉を見ていると、
評価はあまり高くないようですが、
極めて稀に起こる巨大地震に対しては、
かなり揺れるけど最後は粘って耐え、
壊れるところがあるかもしれないけれど、
手を入れて直せば、
引き続き住むことができる構法、
長い年月を経ても変わらない、
この「手を入れて直せる」ということが、
性能表示などの数字に表すことはできませんが、
実はとても大切なことなのではないかと
思っています。
昨日は、本年度第二回目の
木の建築塾。
木造の構造設計指針を直す
-実大振動実験の取り組みと今度の展望―
という演題で、
東京都市大学教授 大橋 好光先生に
お話をいただきました。
実大振動実験とは、
今年2月、私が損傷観察に
参加させていただいたものです。
それだけにその後の大橋先生の
取り組みには、大いに興味がありました。
それらの実験などを受けて、
伝統構法の構造解析方法が
その後どんな展開を見せていくのか
気がかりではありますが、
何にせよ、
動き始めているということ自体に
期待したいと思います。
先週金曜日、
設計者仲間の方のお誘いを受け、
所員一同+大工一名、
あのフランクロイドライト設計の、
東京池袋にある自由学園明日館を
見学しました。
その日は
月に一度の夜間開放日とのことで、
貴重な機会のようでした。
実は以前、元同僚の結婚式で
訪れたことがあったのですが、
今日はゆっくり、
全体を細部まで見ることができて
よかったです。
やはりライトの細部までにわたる
デザインにかける情熱の凄味を
感じました。
そしてこうした空間に出会うと、
いつも日本の伝統構法で
表現できないかな、
と思うのですが、
線で空間を表現することの多い
ライトの建築は、
木を現す日本の伝統構法と
融合しやすいのではないかと
思いました。
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