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2016年10月17日

見守り見守られて

カテゴリー: ふかふか

子どもたちが集い、
子どもたちを見守る施設、
‘ふかふか’にて。

ここではたてものの中に
木組みのたてものを
作る計画を企てています。

もちろん居室の一部を
作るためですが、

‘遊具’として子どもたちに
親しんでほしいと願っています。

その木組みの準備が
大工・藤間さんの手で
順調に進められています。

お母さんたちを中心に
関わる方の多い仕事なので、

入れ替わり立ち替わり
たくさんの方々に見守られ、
愛情を注がれながら進んでいく
物語が楽しみです。

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2016年10月14日

‘半’でもよい

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

先日建て込んだ無双障子ですが、
半開きの状態でも組子が折り重なり、

陰影が強調されて
なかなかよい感じです。

一般的に、
口が半開き、半笑いなどと、
どちらかというと「半○○」は
だらしない印象を持った言葉ですが、

この縦繁無双障子の場合は
あてはまりません。

そういう意味では、
建具を中途半端に
開けっぱなしにしていても叱られず、

四六時中隅々まで
きりりとしているわけにはいかない
くつろぎの間には
ちょうどよいのだと思いました。

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橋渡しする舞良戸

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

居間と水廻りを仕切る建具は、
従来は折れ戸だったのですが、

今回の改修を機に、
より手軽に開け閉めできる
引き戸に作り替えました。

その建具の仕様は、
濡れた手で行き来することが多いので、
紙ではなく木で作ったものがいいだろうと、
舞良戸とすることにしました。

木で作る建具は、
材種や桟の割付などは
建具職人と相談しつつも
基本的には設計者の意図ですが、

具体的にどんな木を使うか、
つまり木配りは建具職人の
想いと感覚が強く反映されます。

そこで今回も、
建具職人新井さんが
どんな舞良戸を作ってくるか
楽しみにしていましたが、

建て込んでみて、
やはり新井さんの心にくい配慮を
感じました。

舞良戸の鏡板(横桟の奥の幅の広い板)を
よく見ていただくと、

居間から見て左側が白太がちの板、
右に行くにしたがって
赤身がちの板となっています。

この建具の左側は、
桧の壁と天板の造作が目立つ
白の強い空間、

対して右側は、
褐色に塗装された
既存の家具が座っているのですが、

新井さんはこの舞良戸が、
手前と奥だけではなく、

左と右を橋渡しする存在として
位置づけたかったのだと推測します。

直に聞いたわけではありませんが、
新井さんの木配りは、
いつもだいたいこうした意図があり、

空間を図面以上のものに
仕立ててくれます。

たてものづくりは、
とくに木のたてものは、

こうしたたくさんの職人たちの
想いや感覚を見出すことも
楽しさの一つです。

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2016年10月12日

影の楽しい候へ

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

建具屋の新井さんと、
現場でしばし建具の話をしていたら、

庭の草木とともに
「きらくな網戸」からの影が、
桧の床に映し出されていました。

陽の位置が低くなり、
影の楽しい候に入りました。

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大きな無双障子が入る

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

今日は建具屋の新井さんが
内部建具の建て込みに来たので、

建具工事、いや、
今回の改修工事の目玉ともいえる
幅9尺、高さ3尺の無双障子が
納まりました。

幅約2寸の細長い和紙の帯が
閉じたり、開いたり。

柔らかく光を通しつつ、
季節や時間帯によって
視線や風を調節できるこの装置は、
実に日本的だと思います。

半開きにした状態も、
光と影が折り重なって、
なかなか面白い表情を
見せてくれました。

ところで今日建て込んだ新井さん、
この大きさでの無双障子は
初めてだったそうです。

しかし幅9尺という大きさで
作れることが分かったので、

今後も各所で積極的に
提案していきたいと思います。

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2016年10月11日

ここまで来ると芸術家

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

今日から左官屋の湯田さんが
作業を再開しました。

今日の作業は、
玄関の両脇の仕上げ。

湯田さんが得意とする石膏装飾に、
洗い出しで仕上げたものを
取り付けました。

看板建築として
従来にある装飾に倣って
蛇腹のデザインをこしらえ、

そして普通石膏装飾は
真っ白な仕上がりですが、

半乾きの状態で
すかさず洗い出しの仕上げを
施したようです。

あまりにも美しく作られているので、
本当に人の手で作ったものかと
目を疑いますが、

紛れもなく湯田さんの手仕事。
ここまで来ると芸術家です。

ここの看板建築は、
当時の芸術家とともに
考えたデザインとのこと。

それが湯田さんをはじめ、
大工という名の、
板金屋という名の、
タイル屋という名の、
あるいは建具屋という名の、
数々の芸術家たちによって、

約90歳の看板建築が
元気に息を吹き返そうとしています。

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この白い壁の装飾から、
デザインの要素をいただきました。

バルコニーに着手

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

大工工事の最終段階、
下屋の上にバルコニーを
作り始めました。

1坪ばかりですが、
2階縁側から続く屋外空間が
楽しみです。

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板がのびたりちぢんだり

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

この家の洗面所は、

入口は狭く、
銅のシンクが入っている部分は広く、
奥行きが二段階になっているのですが、

しかしいざという時
狭い奥行きのほうも
広く使えるように、

天板の下に
引き出せる棚板を
作りました。

建主さんに
ご要望をいただいて
作ったのですが、

こうしたご要望が
作り手のいい刺激になります。

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2016年10月7日

生きもののような土間

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

土間の敷瓦が、
敷き終わりました。

この瓦はいつものとおり、
藤岡の五十嵐さんが
達磨窯で焼いたものです。

一枚一枚手をかけて焼いた瓦だからこそ、
一枚一枚顔が違う瓦を

タイル職人の小澤さんが
十分に吟味して貼ってくれたことにより、

一枚一枚が生き生きとして、

またそれが集合することにより、
生きもののように
見る角度や時間によって表情が違う
息を呑むほどに奥深く美しい
土間に仕上がりました。

看板建築の
時間を重ねた立面と相まって、
味わい深い「顔」となりそうです。

今後この土間が
どのように生かされていくか、
楽しみです。

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2016年10月6日

お風呂のタイルが仕上がる

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

浴室のタイル工事が
ほぼ仕上がりました。

床は最近の定番ともいえる
冬でも足の温かいコルクタイル、

腰壁は御影石のような風合いのタイル、

カラン台天板と
浴槽との見切りは御影石
という構成です。

小澤さんの仕事は、
いつ見てもパリッとしていますが、

いつにもまして御影石調のタイルが
格調高い雰囲気を醸し出しています。

もう少ししたらこの隣に
木の風呂桶が入る予定です。

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